1.概況
本日の日経平均は273円高の2万3094円と大幅に続伸し、5月21日以来約4ヶ月ぶりに終値で2万3000円の節目を回復しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場で主要指数が上昇し、ドル円が112円近くまで円安に振れたことを受け日経平均は214円高の2万3035円と続伸して寄り付きました。寄り付き後の日経平均は2万3000円の節目を挟んでの推移が続きました。前場を221円高で終えた日経平均は後場に入っても堅調に推移すると引けにかけてさらに上値を伸ばして一時は2万3100円台をつける場面もありました。日経平均は結局273円高と1日の高値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金はSQ日とあって膨らみ3兆3291億円となりました。東証33業種は電気機器、機械、海運業、保険業、精密機器など景気敏感セクターを中心とした27業種が上昇しました。一方で陸運業、食料品、電気ガス業などディフェンシブセクターを中心とした6業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが上昇しました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)と3位の任天堂(7974)こそ下げたものの、ファーストリテイリング(9983)、ソニー(6758)、トヨタ自動車(7203)、三菱UFJ(8306)、東京エレクトロン(8035)、ファナック(6954)、キーエンス(6861)がいずれも上昇しました。材料が出たところでは、昨日発表した第1四半期の決算が大幅な増収増益だったヤーマン(6630)がストップ高となり東証1部の上昇率1位となりました。同じく昨日発表した5-7月期の決算が大幅な増収増益だった葬儀サイトやお墓サイトなどを運営する鎌倉新書(6184)も11%超の大幅高となり上場来高値をつけました。一方で昨日発表した本決算で5-7月期が営業減益に終わり、今期予想も増収減益だったインターネット広告のアイモバイル(6535)は6%近く下落して上場来安値を付けています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均はついに2万3000円の節目を突破しました。それでも日経平均の予想PERは13倍台前半とむしろ割安感のある水準です。しばらくのあいだ2万3000円を抜けることができずマーケットのセンチメントが悪化していただけに、本日の上昇をきっかけに来週以降の一段高を期待したいところです。来週は19日に日銀の金融政策決定会合の結果発表が行われますが、大きな政策変更はないとみられています。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)