1.概況
本日の日経平均は48円高の2万2410円と小幅に上昇しました。新興市場のマザーズ指数も上昇しましたが、TOPIXやJPX日経400、東証2部指数は下落と主要指数は高安まちまちでした。昨日の米国市場で主要指数が高安まちまちで支援材料になりにくかったものの、ドル円がやや円安に振れたことが好感されて日経平均は58円高の2万2420円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に徐々に上げ幅を縮めると一時は15円高をつけましたが、マイナス圏に沈むことなく踏みとどまると再び上げ幅を広げて一時は100円高をつける場面がありました。前場を41円高で終えた日経平均は後場に入ると小幅なプラス圏でのもみ合いとなり大きな方向感が出ないまま結局48円高で取引を終えました。東証1部の売買代金は1兆8214億円となりました。東証33業種は石油石炭製品や小売業、サービス業などの17業種が上昇しました。一方でゴム製品や輸送用機器、海運業など16業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は下げた銘柄が多くなりました。売買代金トップの任天堂(7974)が0.4%安、2位のソフトバンクグループ(9984)が1%近く下げたほか、スズキ(7269)、スルガ銀行(8358)、トヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)がいずれも下げました。中でも中国の自動車大手との合弁事業を解消すると報じられたスズキは5%近い大幅安となりました。また、不良債権拡大の懸念から昨日20%近く下げたスルガ銀行は本日も9%超の大幅安となりました。一方でファーストリテイリング(9983)が3%近く上昇したほか、携帯料金引き下げ懸念から連日下げていたKDDI(9433)も2.5%高と反発しました。その他材料が出たところでは、8月の既存店売上高が前年同月比0.7%増と猛暑の中でもプラスを確保したニトリホールディングス(9843)は4%近い大幅高となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は上昇したもののTOPIXは下落と薄商いの中で方向感の出づらい状況が続いています。米中貿易戦争の動向を見極めながらの展開が続きそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)