NYダウ: 25313.14  ▼196.09 (8/10)
NASDAQ: 7839.11  ▼52.67 (8/10)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
先週末の米国市場は米国とトルコの関係悪化でトルコリラが急落するなか銀行株を中心に売りが出て下落しました。108ドル安でスタートしたダウ平均は午後に入ってさらに下げ幅を広げると一時286ドル安まで売られる場面もみられました。引けにかけてやや持ち直したダウ平均ですが結局196ドル安の25,313ドルと3日続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も52ポイント安の7,839ポイントと9日ぶりの反落となりました。

2.経済指標等
7月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.9%上昇し市場予想と一致しました。変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は前年同月比で2.4%上昇し市場予想を上回り2008年9月以来の高い伸びとなりました。7月の米財政収支の赤字額は前年同月比79.0%増の768億6500万ドルとなっています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーを除く10業種が下げました。そのなかでも素材と金融、不動産が1%以上の下落となっています。

4.個別銘柄動向
欧州市場でトルコへの融資額が大きい銀行株に売りが出るなか米国市場でも銀行株が売られました。シティ・グループ(C)とモルガン・スタンレー(MS)が2%以上下げたほか、ゴールドマン・サックス(GS)が2%近く下落し、バンク・オブ・アメリカ(BAC)とJPモルガン・チェース(JPM)が1%前後の下げとなっています。また、インテル(INTC)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて2%を超える下落となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。ティファニー(TIF)も投資判断の引き下げで2%安となっています。同じく米食品大手のキャンベル・スープ(CPB)も投資判断の引き下げで2%余り下落しました。一方で広告関連プラットフォームを提供するトレード・デスク(TTD.)が市場予想を上回る決算を受けて目標株価の引き上げが相次いだことで急伸し37%余り上げています。

5.為替・金利等
長期金利は0.05%低い2.87%となりました。ドル円はトルコリラ急落でリスク回避の円買いとなり110円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株安と円高を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が一目均衡表の雲の下限(22,076円)を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)