1.概況
本日の日経平均は66円安の2万2697円と続落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数も下落しましたが新興市場のマザーズ指数は小幅に上昇しました。昨日の米国市場で主要指数が下落したことを受け日経平均は30円安の2万2734円と小幅に続落して寄り付きました。日経平均は足元の好地合もあってかすぐにプラスに転じると一時は105円高まで上昇しました。しかし中国人民銀行が人民元の売買基準値を約1年ぶりの元安水準に設定したと発表し、トランプ大統領が人民元安を批判していたことから、米中貿易戦争が深刻化するとの思惑が高まり日経平均は急速に上げ幅を縮めてマイナスに転じました。日経平均は一時下げ幅が200円を上回る場面がありましたが、やや値を戻し前場を112円安で終えました。日経平均は後場に入ると再びじりじりと下げ幅を広げて14時前に223円安と1日の安値をつけました。日経平均は引けにかけて急速に値を戻し結局66円安で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆3975億円となりました。東証33業種は食料品、石油石炭製品、空運業、電気・ガス業など11業種が上昇しました。一方で非鉄金属、海運業、ゴム製品、鉄鋼など22業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)から、2位の任天堂(7974)、3位の東海カーボン(5301)、4位のファーストリテイリング(9983)まで上昇しました。一方でトヨタ自動車(7203)、三菱UFJ(8306)、東京エレクトロン(8035)、ソニー(6758)はいずれも下落しました。材料が出たところでは、介護医療関連会社のエラン(6099)が12%超の大幅高となりました。1-6月期の業績予想を上方修正したことが好感されました。また、国内トップのPR会社のベクトル(6058)が5%近く上昇しました。人事関連サービスを展開する「あしたのチーム」を子会社化すると発表したことが好感されたようです。一方で海外の広告大手企業の決算発表が冴えなかったことから海外の広告需要低迷への懸念が強まり電通(4324)が6.8%安と大きく売られました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は66円安と小幅に続落しましたが、週間では100円高と続伸しています。来週半ばからいよいよ日本企業の決算発表が増加してきます。4-6月の業績動向はどうだったのか個別銘柄はもちろん、日本企業全体の業績トレンドにも注目が集まります。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)