1.概況
本日の日経平均は26円安の2万1785円と小幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で主要指数が上昇したことを受け、日経平均は77円高の2万1889円と反発して寄り付きました。日経平均は徐々に上げ幅を縮めるとマイナスに転じる場面がありましたが切り返し一時は115円高まで上昇する場面がありました。しかしその後再び上げ幅を縮めてマイナスに転じた後に再びプラスに転じるなど方向感に欠ける展開となり、結局前場を6円安と小幅安で終えました。上海総合指数や香港のハンセン指数が軟調に推移したことが重荷となり日経平均は後場寄りから下げ幅を広げる展開となりました。一時は237円安まで下落した日経平均ですが、上海総合指数が午後の取引で大きく下げ幅を縮めたことが追い風となってか引けにかけて急速に下げ幅を縮めて結局26円安で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆5298億円となりました。東証33業種は石油石炭製品、空運業、保険業、鉱業、証券商品先物など12業種が上昇しました。一方で非鉄金属や海運業、精密機器など21業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は上昇した銘柄が多くなりました。売買代金トップの任天堂(7974)が1.9%高となったほか、マネックスグループ(8698)、トヨタ自動車(7203)、ソフトバンクグループ(8698)、ソニー(6758)、ファーストリテイリング(9983)がいずれも上昇しました。一方で東京エレクトロン(8035)や三菱UFJ(8306)が下げています。その他材料が出たところでは、人材派遣などを手がけるエスプール(2471)が13%超の大幅高となりました。今期の業績予想を上方修正したことが好感されました。またきのこ生産大手のホクト(1379)が3.5%高としっかりでした。10億円を上限とする自社株買いを発表したことが好感されました。一方でバイクや自動車用などのチェーンメーカーの大同工業(6373)は17%近い大幅安となりました。公募増資などを発表したことが嫌気されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
根強い米中貿易戦争への懸念からか日経平均は続落しましたが安値からは大きく下げ幅を縮める展開となりました。中国市場の反応からするとマーケットは米中貿易戦争についてかなり不安視しているようです。この問題が解決に向かわなければ本格的な上昇は期待しづらいと言えそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)