NYダウ: 24657.80 ▼42.41 (6/20)
NASDAQ: 7781.52 △55.93 (6/20)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。米中貿易摩擦への懸念が引き続き重石となったダウ平均は7日続落となりましたが、主力ハイテク株が買われたことでS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は反発し、ナスダック総合株価指数は史上最高値を付けています。取引開始直後に104ドル高まで買われる場面もあったダウ平均は買いが続かず上げ幅を縮めまもなくしてマイナスに転じ71ドル安まで売られましたが、下げ渋ったことで持ち直すとその後は前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開となりました。結局ダウ平均は42ドル安の24,657ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数は4ポイント高の2,767ポイントと4日ぶりに反発したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も55ポイント高の7,781ポイントと反発し14日に付けた史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
5月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比0.4%減の543万戸となり市場予想も下回りました。また、1-3月期の米経常収支の赤字額は前期比6.9%増の1241億500万ドルとなっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産や一般消費財・サービス、エネルギーなどの7業種が上げ、不動産は1%余り上昇しました。一方で電気通信サービスや素材など3業種が下げ、電気通信サービスは1%近く下落しています。公益事業は変わらずでした。
4.個別銘柄動向
対話アプリ「メッセンジャー」の収益化の可能性が高いとの指摘を受けてフェイスブック(FB)が2%を超える上昇となり上場来高値を更新しました。アマゾン・ドット・コム(AMZN)とネットフリックス(NFLX)も上場来高値を更新したほか、21世紀フォックス(FOXA)もウォルト・ディズニー(DIS)が映画・テレビ事業を713億ドルで買収することで合意したと発表したことで7%以上上昇し上場来高値を付けています。決済サービスのペイパル・ホールディングス(PYPL)も決済プラットフォームのハイパーワレットを4億ドルで買収することで合意したと発表したことで2%近く上げ上場来高値を更新しました。さらにゼネラル・エレクトリック(GE)に代わってダウ平均構成銘柄に採用されることとなったドラッグストア大手のウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)も5%を超える上昇となっています。一方でゼネラル・エレクトリックは軟調でした。また、米国内の150店舗を閉鎖する計画や慎重な業績見通しを示したスターバックス(SBUX)が目標株価の引き下げが相次いだことで急落し9%余り下げています。
5.為替・金利等
長期金利は、パウエルFRB議長がECB主催の年次フォーラムで緩やかな利上げを続ける可能性が高いと述べたことを受けて0.05%高い2.94%となりました。ドル円は110円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったこともあって小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか買いが優勢となった場合には日経平均が25日移動平均線(昨日時点で22,618円)を超えられるかが、反対に売りが優勢となった場合には節目の22,500円を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)