1.概況
本日の日経平均は86円高の2万2625円と続伸しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数も上昇しましたが、新興市場のマザーズ指数は1.5%安と大幅続落となりました。昨日の米国市場で主要指数が高安まちまちで支援材料になりにくいなか、日経平均は19円安と小安く寄り付きました。日経平均は寄り付き後に下げ幅を40円程度まで広げましたが下値模索とはならず持ち直すと小幅なプラスに転じました。その後再び小幅なマイナス圏に沈む場面もありましたが、徐々に上げ幅を広げると前場を51円高で終えました。日経平均は後場に入ると上げ幅を広げる展開となり一時は123円高をつけました。日経平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めましたが86円高と続伸して取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆4356億円となりました。東証33業種は石油石炭製品、鉱業、パルプ・紙など21業種が上昇しました。一方でその他製品やガラス土石製品など12業種が下げています。なお、本日の東証規模別株価指数は大型株指数が0.3%高となった一方で中型株はほぼ横ばい、小型株は0.2%安と大型株優位の1日となりました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)は3%超下落し、4万円の節目を割り込みました。売買代金3位の東海カーボン(5301)が8%超の大幅安となったほか、三菱UFJ(8306)、ファナック(6954)、SUBARU(7270)も下落しました。一方でソニー(6758)が3%近く上昇したほか、トヨタ自動車(7203)、ソフトバンクグループ(9984)、ファーストリテイリング(9983)が上昇しました。材料が出たところでは、靴小売最大手のエービーシー・マート(2670)が5.5%の大幅安となりました。5月の既存店売上高が前年同月比5.4%減と大きく落ち込んだことが嫌気されました。一方でビジネスホテル運営などを手がける共立メンテナンス(9616)が2.7%高としっかりでした。大手証券が目標株価を大きく引き上げたことが好感されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は続伸となりました。ドル円が110円近辺で推移しておりこの水準であれば企業業績が悪化する可能性は低く、大型株を中心に下値では買いが入りやすいとみられます。やや懸念されるのがマザーズ市場の動向で同指数は1,100ポイントの節目を割り込み昨秋以来の安値水準となっています。取引主体が個人投資家中心の新興市場が早々に下げ止まり切り返すのか、下値模索の展開となるか注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)