1.概況
本日の日経平均は183円高の2万2201円と反発しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。イタリア政局への悲観がやや後退し、昨日の米国市場で主要指数が上昇したことを受け日経平均は144円高の2万2163円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後にやや円高が進んだこともあり上げ幅を80円足らずまで縮める場面がありましたが、その水準で踏みとどまると前場を93円高で終えました。日経平均は後場寄りから一段高となりその後も堅調に推移すると、14時46分に235円高と1日の高値をつけました。日経平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めましたが結局183円高と昨日の下げの半分強を埋めて取引を終えました。東証1部の売買代金は月末要因もあってか4兆4333億円と多くなりました。東証33業種は石油石炭製品やガラス土石製品、精密機器など27業種が上昇しました。一方で空運業やパルプ・紙など6業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は上げた銘柄が多くなりました。売買代金トップのトヨタ自動車(7203)、売買代金2位の任天堂(7974)がそれぞれ1%超上げたほか、東海カーボン(5301)、三菱商事(8058)、ファーストリテイリング(9983)、ホンダ(7267)などが上昇しました。一方で三菱UFJ(8306)やサイバーエージェント(4751)が下げています。材料が出たところでは、IoTソフトウェアの開発などを手掛けるACCESS(4813)が7%近い大幅安となりました。昨日発表した第1四半期の決算で減収減益となり、2億円近い営業赤字に転落したことが嫌気されました。なお、本日マザーズ市場に上場したラクスル(4384)の初値は1,645円と公募価格の1,500円を上回り、終値は1,999円とさらに上昇して取引を終えました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
イタリアの政治問題への不安がやや後退し日経平均は反発しました。5月の日経平均は月間で266円安とやや下落しました。月の途中までは順調に上昇し一時は2万3000円の節目を回復しましたが、欧州発の政治不安などから月の後半にかけて下落する展開でした。引き続きイタリア政局の進展やそれに伴うドル円動向が注目材料と言えそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)