1.概況
本日の日本市場は円高が一段と進んだことを受けて大幅続落となりました。68円安の22,621円で寄り付き下げ幅を三桁に広げた日経平均は一旦節目の22,500円を前に下げ渋りましたが、109円台前半まで円高が進んだこともあって10時半ごろから一段安となり14時20分過ぎには323円安の22,366円まで売られました。その後やや持ち直した日経平均は結局252円安の22,437円と3日続落となりました。こうしたなか新興市場も軟調で、東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに続落となっています。
2.個別銘柄等
自動車株が軒並み売られました。円高に加えトランプ米政権が通商拡大法232条に基づく調査を実施したうえで乗用車の関税を現在の2.5%から最大25%に上げることを検討していると伝わったことが嫌気されました。トヨタ(7203)が3.1%安、ホンダ(7267)が3.4%安となったほか、マツダ(7261)も5.2%安となっています。また、しまむら(8227)が5.8%安と大きく下げました。ゴールデンウイーク以降の大雨や低温により夏物の販売が伸び悩んだことで5月の既存店売上高が前年同月比7.7%減と落ち込んだことが嫌気されました。一方、本日の日本経済新聞で中国の紙おむつが復活の兆しと取り上げられたユニ・チャーム(8113)が0.8%高と堅調で年初来高値を更新しています。セイノーホールディングス(9076)も目標株価の引き上げを受けて5.8%高と大きく上昇しました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
円高が嫌気され日経平均は本日も1%を超える下落となりました。朝方は25日移動平均線をサポートに下げ止まるかにもみえた日経平均ですが、取引時間中にさらに円高が進んだことから下げ幅を広げ節目の22,500円を割り込んでしまいました。短期的な過熱感も徐々に解消に向かっていることもあり反転に期待したいところですが、当面はドル円の動向に神経質な展開が続きそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)