NYダウ: 25013.29  △298.20 (5/21)
NASDAQ: 7394.04  △39.70 (5/21)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は米中貿易交渉を受けてムニューシン米財務長官が貿易戦争を当面保留すると述べたことなどで貿易摩擦激化への懸念が後退し上昇しました。167ドル高でスタートしたダウ平均はしばらくして370ドル高余りまで買われた後やや上げ幅を縮めたものの、その後も堅調に推移すると298ドル高の25,013ドルと続伸し節目の25,000ドルを回復して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も39ポイント高の7,394ポイントと3日ぶりの反発となっています。

2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも資本財・サービスと電気通信サービス、不動産が1%を超える上昇となったほか、エネルギーも1%近く上げています。

4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はメルク(MRK)とジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)を除く28銘柄が上げました。そのなかでも米中の貿易摩擦激化への懸念が後退したことで中国向け比率が高いボーイング(BA)が3%以上上昇しました。ボーイングはダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり、1銘柄でダウ平均を90ドル近く押し上げています。また、同じく中国向け比率が高いキャタピラー(CAT)も2%余り上昇しています。さらに輸送関連事業を本体から切り離し鉄道機器メーカーのワブテック(WAB)と統合すると発表したゼネラル・エレクトリック(GE)も2%近く上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、3-5月期の収益見通しを引き上げた半導体大手のマイクロン・テクノロジー(MU)が4%近く上げました。なお、マイクロン・テクノロジーは取引終了後に自社株買いを発表し時間外で一段高となっています。一方で米政府が中国に対する追加関税を先送りしたことでUSスチール(X)が4%近く下げたほか、AKスチール(AKS)も5%以上下落しています。

5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い3.06%となりました。ドル円は111円近辺で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場は上昇となったものの、円安が一服となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。利益確定の売りが出やすいなかで日経平均が節目の23,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)