1.概況
本日の日経平均は91円高の2万2930円と続伸しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場で主要指数は小幅に下落しましたが、ドル円が110円台後半まで円安に振れたことを受け日経平均は68円高の2万2907円と続伸して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に一時28円高まで上げ幅を縮めましたが、切り返して9時半過ぎから上げ幅を広げると、10時16分に115円高の2万2954円と1日の高値をつけました。前場を57円高で終えた日経平均は後場寄りから再び上げ幅を広げました。後場の日経平均は40円ほどの狭い値幅の中でもみ合いとなり結局91円高で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆2800億円となりました。東証33業種は3%を超える上昇となった石油石炭製品のほか、鉱業、保険業などの26業種が上昇しました。一方でその他製品や金属製品などの7業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)が1.9%安となったほか、三菱UFJ(8306)、武田薬品(4502)、東京エレクトロン(8035)が下落しました。一方でソニー(6758)、トヨタ自動車(7203)、ファーストリテイリング(9983)、東京海上(8766)などが上昇しました。中でも東京海上は前期の純利益が3.8%増の2841億円と最高益を更新したことや、今期の純利益予想が3200億円と引き続き最高益を更新することなどが好感され3%高となりました。東京海上は合わせて自社株買いも発表しています。材料が出たところでは、マザーズ上場の創薬ベンチャーのブライトパス・バイオ(4594)がストップ安となりました。前立腺がん患者を対象とした臨床試験で改善効果が見られなかったと発表したことが嫌気されました。一方で炭素製品メーカーの日本カーボン(5302)が8%高と急伸しました。大手証券が目標株価を大きく引き上げたことが好感されました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は円安進行を好感して続伸しました。日本企業の決算発表がほぼ終了し来週はやや材料難といったところですが、一段の円安が進むのかまた日経平均が2万3000円の節目を回復できるかどうかが来週の注目材料と言えそうです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)