NYダウ: 24573.04 △212.90 (4/16)
NASDAQ: 7156.29 △49.64 (4/16)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は米英仏によるシリア攻撃で軍事行動が今後さらに拡大する可能性が低いとの見方からシリア情勢への不透明感が後退し反発しました。昼過ぎに一段高となり一時315ドル高まで上昇する場面もみられたダウ平均は、その後上げ幅を縮めたものの結局212ドル高の24,573ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も49ポイント高の7,156ポイントとなっています。
2.経済指標等
3月の米小売売上高は前月比0.6%増と4カ月ぶりのプラスとなり市場予想も上回りました。 一方で4月のニューヨーク連銀製造業景況指数は15.8と前月から低下し市場予想も下回りました。4月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も69となり市場予想を下回っています。2月の米企業在庫は前月比0.6%増となり市場予想と一致しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも電気通信サービスと公益事業、素材、生活必需品、エネルギー、資本財・サービスが1%以上上昇しています。
4.個別銘柄動向
アマゾン・ドット・コム(AMZN)が大病院向けの医薬品販売を棚上げすると伝わりドラッグストア株が買いを集めました。CVSヘルス(CVS)が4%を上回る上昇となったほか、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)も4%近く上げています。また、ソフトバンクグループ(9984)が買収を検討していると伝わった新聞大手のトロンク(TRNC)が急伸し11%近く上昇しました。コストコ・ホールセール(COST)も投資判断の引き上げを受けて3%高となっています。メルク(MRK)もがん免疫薬の臨床試験で好結果が出たと発表したことで2%を超える上昇となりました。一方でがん免疫薬でメルクと競合するブリストル・マイヤーズスクイブ(BMY)は8%近く下げています。さらに米商務省がイランや北朝鮮に米国製の通信機器を違法に輸出していたとして中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)への製品販売を米国企業に禁じると発表したことで通信機器関連株が急落しました。通信機器のアカシア・コミュニケーションズ(ACIA)が36%近く下げたうえ、光通信部品のオクラロ(OCLR)も15%余り下げています。
5.為替・金利等
長期金利は変わらずの2.82%となりました。ドル円は107円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が上昇する一方でドル円がやや円高となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなかで買いが優勢となった場合には日経平均が一目均衡表の雲の下限(21,905円)を超えられるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)