NYダウ: 24360.14  ▼122.91 (4/13)
NASDAQ: 7106.65  ▼33.60 (4/13)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
先週末の米国市場は金融株に売りが出て反落となりました。取引開始直後に163ドル高まで買われたダウ平均は徐々に上げ幅を縮めるとしばらくしてマイナスに転じ150ドル安近くまで売られました。その後一旦下げ渋ったダウ平均ですが軟調に推移すると取引終盤に再び下げ幅を広げ一時は240ドル安近くまで下落しました。ダウ平均は引けにかけて持ち直したものの結局122ドル安の24,360ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も33ポイント安の7,106ポイントとなっています。

2.経済指標等
4月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は97.8と前月から低下し市場予想も下回りました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融や一般消費財・サービス、情報技術などの7業種が下げ、金融は1%を超える下落となりました。一方でエネルギーや公益事業などの4業種が上げ、エネルギーが1%余り上昇しました。

4.個別銘柄動向
決算で1株利益が市場予想を下回ったJPモルガン・チェース(JPM)が3%近く下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。決算が市場予想を上回ったウェルズ・ファーゴ(WFC)とシティグループ(C)も利益確定の売りに押され、ウェルズ・ファーゴは3%を超える下落となっています。ゴールドマン・サックス(GS)にも売りが波及し1%以上下げています。また、ロシア政府が米政府による経済制裁への報復措置として航空機の機体に使うチタンの販売制限を審議していると伝わったことでボーイング(BA)も2%を上回る下落となり、JPモルガン・チェースとゴールドマン・サックス、ボーイングの3銘柄でダウ平均を100ドル余り押し下げています。一方で最大120億ドル規模の自社株買いを実施すると発表した半導体大手のブロードコム(AVGO)が3%余り上昇しました。

5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い2.82%となりました。ドル円は107円台半ばで推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日は米・英・仏によるシリア攻撃に対するマーケットの反応が注目されますが、朝方のドル円がやや円安となるなど、マーケットがリスクオフとなっていないことから本日の日本市場は堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が一目均衡表の雲の下限(21,967円)を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)