NYダウ: 23932.76  ▼572.46 (4/6)
NASDAQ: 6915.11  ▼161.44 (4/6)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
先週末の米国市場は、トランプ大統領が中国に対して1000億ドル規模の追加の制裁関税を検討すると発表したのに対し中国が反発する姿勢を示すなど、米中間の貿易摩擦への懸念が高まったことで4日ぶりの大幅反落となりました。131ドル安でスタートしたダウ平均は昼過ぎに460ドル安近くまで下落すると一旦下げ渋る場面もみられましたが、しばらくして再び下げ幅を広げ取引終盤には767ドル安まで売られました。引けにかけてやや持ち直したダウ平均ですが結局572ドル安の23,932ドルと節目の24,000ドルを割り込んで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も161ポイント安の6,915ポイントとなり節目の7,000ポイントを下回りました。

2.経済指標等
3月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比10万3千人増に止まり市場予想を下回りました。失業率は前月と変わらずの4.1%となり、平均時給は前年同月比2.7%増と市場予想と一致しています。2月の米消費者信用残高は106億98万ドル増に止まり市場予想を下回りました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも資本財・サービスと情報技術、金融、素材、ヘルスケア、一般消費財・サービスが2%を超える下落となりました。

4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。そのなかでも中国との貿易摩擦への懸念からキャタピラー(CAT)とボーイング(BA)が3%を超える下落となりました。また、インテル(INTC)も3%を上回る下げとなったほか、スリーエム(MMM)とナイキ(NKE)、ビザ(V)も3%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、アマゾン・ドット・コム(AMZN)が小口送金サービスに参入すると伝わったことで決済サービスを手掛けるペイパル・ホールディングス(PYPL)やスクエア(SQ)が4%以上下げています。投資判断引き下げを受けて半導体のザイリンクス(XLNX)も6%を超える下げとなっています。一方で身売りを模索していると伝わった食品スーパーのスーパーバリュー(SVU)が急伸し9 %以上上げています。

5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.06%低い2.77%となりました。ドル円は106円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が25日移動平均線(先週末時点で21,391円)や200日移動平均線(21,367円)を上回って終えられるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)