1.概況
本日の日経平均は551円高の2万1317円と大幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。貿易戦争不安が後退して昨日のダウ平均が669ドル高と大きく反発したこと、ドル円も105円台半ばまで円安に戻したことを受け日経平均は192円高と続伸して寄り付きました。日経平均は寄り付き後しばらく寄り付きの水準でもみ合いましたが、佐川前国税庁長官の証人喚問でネガティブ・サプライズとなる証言内容が出なかったことや本日が3月末権利確定銘柄の権利付き最終日だったことも追い風となってか9時半頃から上げ幅を広げました。日経平均は前引けにかけても堅調に推移し前場を344円高で終えました。後場に入ってさらに上げ幅を広げた日経平均は、上げ幅が500円を上回りました。その後も強い展開となった日経平均は引けにかけても上昇して551円高と高値引けで取引を終えました。東証1部の売買代金は3兆2137億円となりました。東証33業種は全業種が上昇しました。中でも石油石炭製品が4%を超える上昇となったほか、ガラス土石製品、卸売業、陸運業などの9業種が3%以上上昇しました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は総じて上昇しました。売買代金トップの任天堂(7974)が1.1%高となったほか、トヨタ自動車(7203)、三菱UFJ(8306)、ソフトバンクグループ(9984)、ファナック(6954)、ソニー(6758)、ファーストリテイリング(9983)、三井住友(8316)などが総じて上昇しました。中でもトヨタ自動車、三菱UFJ、ソニーは3%を超える上昇となりました。材料が出たところでは、13時に最高経営責任者の松本晃会長の退任を発表したカルビー(2229)が発表後に急落して4.4%安となりました。同社の業績を立て直した名経営者として知られているだけに、市場はネガティブに受け止めたようです。一方で靴の通販サイトを手掛けるロコンド(3558)がストップ高となりました。ギフト用品卸大手を20億円で買収することを発表したことが材料視されました。また、投資用ワンルームマンションの販売などを手掛けるFJネクスト(8935)は今期の業績予想を上方修正したことが好感されて8%の大幅高となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は大幅続伸で2万1000円の節目を大きく上回りました。日本株式市場は明日の取引の受渡は4月2日となり実質新年度入りです。年度の後半に思わぬ波乱が起き株価は大幅な調整に見舞われましたが、大底をつけたことを期待したいところです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)