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【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
20日の米国市場は前日に大きく下げた反動で上昇しました。取引開始後しばらくして192ドル高まで買われたダウ平均は午後に60ドル高程度まで弱含みましたが、再び上げ幅を広げると取引終盤には午前中に付けた高値近くまで再び上昇する場面もみられました。しかし、引けにかけて上げ幅を縮め結局116ドル高の24,727ドルと反発して取引を終えています。また、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も20ポイント高の7,364ポイントと反発しました。 昨日の米国市場はFOMCの結果発表を受けて乱高下となるなか小幅反落となりました。昼ごろに150ドル高余りまで上昇したダウ平均は、2018年末の政策金利の見通しが据え置かれたFOMCの結果発表を受けてさらに上げ幅を広げ250ドル高まで上昇しました。しかし、金利上昇を受けて急速に上げ幅を縮めると小幅なマイナスに転じました。その後再びプラスに転じ140ドル高程度まで買われたダウ平均ですが、引けにかけて売りが優勢となり結局44ドル安の24,682ドルで取引を終えています。また、ナスダック総合株価指数も19ポイント安の7,345ポイントとなっています。

2.経済指標等
米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利は市場の予想通り0.25%引き上げられました。政策金利の見通し(中央値)は2019年末と2020年末が引き上げられましたが、2018年末は年3回の利上げとなる2.125%に据え置かれました。2月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比3.0%増の554万戸となり市場予想を上回りました。2017年10-12月期の米経常収支の赤字額は前期比26.3%増の1281億ドル5800万ドルとなりましたが、赤字額は市場予想を下回りました。

3.業種別動向
20日の米国市場でS&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや一般消費財・サービスなどの6業種が上げました。一方で電気通信サービスや公益事業などの5業種が下げ、電気通信サービスは1%安となりました。 昨日の米国市場でS&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品や不動産、電気通信サービスなど8業種が下げ、生活必需品は1%を超える下落となりました。一方でエネルギーと素材、資本財・サービスの3業種が上げ、エネルギーが2%を上回る上昇となったほか、素材も1%以上上昇しました。

4.個別銘柄動向
20日の米国市場でオラクル(ORCL)が急落し9%を上回る下げとなりました。決算でクラウド事業の売上高が市場予想に届かなかったことなどから投資判断や目標株価の引き下げが相次ぎました。また、前日に急落したフェイスブック(FB)も売りが止まらず2%を超える下落となりました。一方でマイクロソフト(MSFT)との事業提携を発表したカナダのブラックベリー(BB)が3%近く上昇し、マイクロソフトも小幅に上げました。ウォルマート・ストアーズ(WMT)の全米500店に営業所を開設すると発表した物流のフェデックス(FDX)も1%近く上げました。 昨日の米国市場では利益の見通しを引き下げた食品のゼネラル・ミルズ(GIS)が急落し9%近く下げました。また、創業家一族との非上場化を巡る交渉を打ち切ったと発表した百貨店のノードストローム(JWN)も3%を超える下落となりました。さらに旅客収入の見通しを下方修正した格安航空会社のサウスウエスト航空(LUV)も5%近く下げています。一方で原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)が2%を上回る上昇となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、エクソンモービル(XOM)も1%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等
20日の長期金利は0.04%高い2.89%となりました。昨日の長期金利は0.01%低い2.88%となりましたが、一時は2.93%まで上昇する場面もみられました。ドル円は106円近辺で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場でダウ平均が2日間トータルで70ドル余りの上昇となる一方で、ドル円がやや円高となるなど強弱材料が入り混じる格好となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか本日もドル円の動向に神経質な展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)