NYダウ: 25007.03  ▼171.58 (3/13)
NASDAQ: 7511.01  ▼77.31 (3/13)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場はハイテク株に利益確定の売りが出て下落しました。米CPIの伸びが市場予想並みに止まったことを受けて79ドル高と上昇して始まったダウ平均は200ドル高近くまで買われましたが、徐々に上げ幅を縮めると昼過ぎにマイナスに転じました。下げ渋ったことでその後再びプラスに転じたダウ平均ですが上値が伸び悩むとマイナスとなり下げ幅を広げる展開となりました。引け間際に230ドル安余りまで売られる場面もあったダウ平均は結局171ドル安の25,007ドルと続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も77ポイント安の7,511ポイントと8日ぶりの反落となりました。

2.経済指標等
2月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.2%上昇し市場予想と一致しました。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数も1.8%上昇し市場予想と一致しています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術や金融、エネルギーなどの8業種が下げ、情報技術と金融は1%を超える下落となりました。一方で不動産と公益事業、ヘルスケアの3業種が上げています。

4.個別銘柄動向
目標株価の引き下げを受けてゼネラル・エレクトリック(GE)が4%を上回る下げとなり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。トランプ米大統領が通信用半導体のブロードコム(AVGO)によるクアルコム(QCOM)の買収を禁じる命令を出したことでクアルコムも5%近く下げています。ブロードコムも小幅に下げましたが、クアルコム買収への対応策としてブロードコムの買収を検討していると伝わっていたインテル(INTC)は小幅に上げています。また、航空会社のアラスカ・エア・グループ(ALK)は2月の輸送実績が好感され4%を超える上昇となっています。靴小売りチェーンのDSW(DSW)も決算で1株利益が市場予想を上回ったことで急伸し10%余り上昇しました。

5.為替・金利等
長期金利は米CPIの伸びが市場予想並みに止まったことから0.03%低い2.84%となりました。ドル円は106円台半ばで推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株安を受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなかドル円がやや円高となっていることもあり日経平均はドル円の動向をにらみながらの展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)