NYダウ: 24884.12  △9.36 (3/6)
NASDAQ: 7372.01  △41.30 (3/6)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は、トランプ米大統領の保護貿易主義が引き続き警戒される一方で、北朝鮮を巡る地政学リスクの後退が相場の支えとなるなかで方向感に欠ける展開となり、小幅に上昇しました。取引開始直後に120ドル高まで買われたダウ平均は上げ幅を縮めるとまもなくしてマイナスに転じ昼前に166ドル安まで売られました。しかし、持ち直すとその後は前日終値を挟んで揉み合う展開となり結局9ドル高の24,884ドルと続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も41ポイント高の7,372ポイントと3日続伸となりました。

2.経済指標等
1月の米製造業受注は前月比1.4%減と6カ月ぶりのマイナスとなりました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材や一般消費財・サービス、資本財・サービスなどの9業種が上げ、素材は1%余り上昇しています。一方で公益事業とヘルスケアが下げ、公益事業は1%を超える下落となっています。

4.個別銘柄動向
決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったネットワーク機器のシエナ(CIEN)が急伸し10%高となりました。目標株価の相次ぐ引き上げを受けて動画配信のネットフリックス(NFLX)も3%を超える上昇となり連日で上場来高値を更新しています。また、投資判断の引き上げを受けて後発医薬大手のマイラン(MLY)も4%余り上昇しました。一方、決算で1株利益が市場予想を下回ったディスカウントストアのターゲット(TGT)が4%を超える下落となっています。

5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い2.89%となりました。ドル円は105円台半ばで推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
朝方に米国家経済会議のコーン委員長が辞任する意向と伝わったことで円高が進んでいることから本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。韓国と北朝鮮が4月末に首脳会談を開催することで合意したことを受けて地政学リスクが後退するなか日経平均が下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)