NYダウ: 25410.03  ▼299.24 (2/27)
NASDAQ: 7330.36  ▼91.11 (2/27)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場はややタカ派的と受け止められたパウエルFRB議長の議会証言を受けた長期金利の上昇を嫌気して反落となりました。上昇して始まったダウ平均は朝方に90ドル高余りまで買われる場面もみられましたが、徐々に売りが優勢になると昼過ぎには150ドル安程度まで売られました。その後一旦持ち直したダウ平均ですが前日終値を前に上値が押さえられると再び下げ幅を広げ一段安となりました。結局ダウ平均は299ドル安の25,410ドルと4日ぶりに反落しほぼ安値引けで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も91ポイント安の7,330ポイントと3日ぶりの反落となっています。

2.経済指標等
1月の米耐久財受注額は前月比3.7%減少し市場予想も下回りました。また、民間設備投資の先行指標とされる非国防資本財から航空機を除くコア資本財の受注も前月比0.2%減少し増加を見込んでいた市場予想を下回っています。一方で2月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は130.8と前月から上昇し市場予想も上回りました。12月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で主要20都市圏の住宅価格指数は前年同月比6.3%上昇し市場予想と一致しています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも不動産と一般消費財・サービスが2%を超える下落となったほか、電気通信サービスも2%近く下げています。

4.個別銘柄動向
英有料テレビのスカイを310億ドルで買収する案を発表したCATV大手のコムキャスト(CMCSA)が財務負担を警戒した売りで7%を超える下落となりました。21世紀フォックス(FOXA)からスカイを含む事業買収で合意しているウォルト・ディズニー(DIS)もスカイを巡りコムキャストと買収合戦になることが懸念され4%を上回る下落となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。一方で3年ぶりの増収となる決算を発表した百貨店のメーシーズ(M)が3%を上回る上昇となりました。一時は13%以上上昇する場面もみられました。また、市場予想を上回る決算を発表したブランド衣料小売りのディラーズ(DDS)も急伸し17%近く上げています。

5.為替・金利等
長期金利はパウエルFRB議長の議会証言を受けて0.03%高い2.89%となりました。ドル円は107円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が円安を支えに下げ渋る展開となるのかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)