1.概況
本日の日経平均は255円高の2万1720円と続伸しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場で主要指数が上昇したことを受け、日経平均は91円高と続伸して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に上げ幅を30円余りまで縮める場面がありましたが、その後は上げ幅を広げました。前場を234円高で終えた日経平均は後場寄りから一段高になるとまもなく401円高と1日の高値をつけました。ドル円が105円台半ばまで円高に振れたこともあり日経平均はその後上げ幅を縮めましたが、結局255円高と続伸して取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆7149億円となりました。東証33業種は全業種が上昇しました。中でも電気・ガス業が4%近い大幅高となったほか、水産・農林業、パルプ・紙、石油石炭製品、ゴム製品、ガラス土石製品が2%以上上昇しました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は概ね上昇しました。売買代金トップの任天堂(7974)は横ばいでしたが、トヨタ自動車(7203)、ソフトバンクグループ(9984)、ソニー(6758)、三菱UFJ(8306)、東京エレクトロン(8035)、ファーストリテイリング(9983)、ファナック(6954)などが上昇しました。一方で売買代金5位に入った日本電産(6594)は3.4%安と反落しました。創業者である永守重信氏が社長を退くと発表したことにネガティブな反応となりました。その他材料が出たところでは、サッポロホールディングス(2501)が3%近く下げました。前期の業績が16%の営業減益に終わったほか、今期の業績予想も回復が鈍いと判断されて売られたようです。一方で前期業績が大幅な増収増益で着地し、今期の業績予想も増収増益としたクリーンルームを手掛ける日本エアーテック(6291)は10%近い大幅高となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は昨日に続いて上昇しました。日経平均の予想PERが12倍台という状況では多少円高が進んだとしても株価が割安であるとの見方から買いが広がったとみられます。ただ、足元でドル円が105円台まで円高に振れており、この水準では特に来期の日本企業の業績にネガティブに作用するとみられることから、今後株価上昇の重荷となってきそうです。今週で日本企業の決算発表も一巡し、来週以降はやや材料難になりますが、引き続きドル円動向をにらみながらの展開が予想されます。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)