1.概況
本日の日経平均は90円安の2万1154円と3日続落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で主要指数が小幅に上昇した一方でドル円は107円台まで円高に振れるなど強弱材料まちまちのなか、日経平均は6円高とほぼ横ばいで寄り付きました。日経平均は寄り付き後に上げ幅を広げると一時は126円高まで上昇しました。しかし、107円台後半で推移していたドル円が徐々に円高に振れると日経平均も上げ幅を縮め、まもなくマイナスに転じました。前場を135円安で終えた日経平均はドル円が一時106円台をつけたこともあり後場に入るとさらに下げ幅を広げ、まもなく2万1000円の節目を割り込む場面もありました。その後ドル円がやや円安に戻したこともあり、日経平均は下げ幅を縮めて14時過ぎに一時プラス圏に浮上しました。その後引けにかけて再度マイナスに転じた日経平均は、結局90円安と小幅に続落して取引を終えました。東証1部の売買代金は3兆4450億円となりました。東証33業種は空運業や石油石炭製品、医薬品、鉱業など7業種が上昇しました。一方で輸送用機器や海運業、非鉄金属など26業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下落しました。売買代金トップの任天堂(7974)が0.2%安と小幅に下げたほか、トヨタ自動車(7203)、ソフトバンクグループ(9984)、三菱UFJ(8306)、ソニー(6758)、ファーストリテイリング(9983)、ファナック(6954)がいずれも下落しました。一方で半導体関連銘柄に買いが入った流れを受け、東京エレクトロン(8035)が4.2%高となったほか、売買代金8位に入った東海カーボン(5301)が16%超の大幅高で東証1部の上昇率首位となり昨年来高値を更新しました。前期決算が大幅な増収増益で着地したほか、今期も大幅な増収増益予想としたことが好感されました。その他材料が出たところでは、昨日決算発表を行った居酒屋のワタミ(7522)は18%近い大幅安となりました。10-12月の3ヶ月の営業利益が5四半期ぶりに前年同期から減少したことなどが嫌気されたとみられます。また、セルフ式うどんの丸亀製麺を展開するトリドールホールディングス(3397)も12%近い大幅下落となりました。10-12月の営業利益が前年同期比35%減と冴えなかったことが嫌気されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
円高を嫌気して日経平均は3日続落となりましたが、一時は300円安近くまで下落した後に持ち直してプラスに転じるなど一定の底堅さを示しました。日経平均の予想PERは12倍台まで低下しています。そして、東証1部の騰落レシオは71%とこちらも売られ過ぎの水準にあります。どこが大底であるか当てることは不可能ですが、これらの指標から判断すると現在の水準は割安であると考えています。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)