1.概況
本日の日経平均は137円安の2万1244円と続落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場の東証マザーズ指数も下落しました。中でもマザーズ指数は2.6%の大きな下げとなりました。一方で東証2部指数は1%弱上昇しました。先週末と昨日の合計でダウ平均が740ドル高となったことを受け、日経平均は250円高と反発して寄り付きました。日経平均はやや上げ幅を縮める時間帯もありましたが、前引けにかけて上げ幅を広げて前場を285円高で終えました。しかし108円70銭近辺で推移していたドル円が108円台前半まで円高に振れると、警戒感が広がって日経平均は後場に入ると徐々に上げ幅を縮めました。14時過ぎにマイナスに転じた日経平均は引けにかけても下げ幅を広げる展開となり、結局137円安と1日の安値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は3兆7126億円となりました。東証33業種は繊維製品やその他製品など5業種のみが上昇しました。一方でゴム製品や空運業、海運業など28業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は売買代金トップの任天堂(7974)および売買代金2位のソフトバンクグループ(9984)がいずれも2%台の上昇となりましたが、その他の銘柄は軒並み下落しました。トヨタ自動車(7203)が2.5%安となったほか、三菱UFJ(8306)、ソニー(6758)、ファナック(6954)、三井住友(8316)、ファーストリテイリング(9983)がいずれも下げています。材料が出たところでは、ライオン(4912)が7.6%の大幅高となりました。先週末に発表した通期決算が増収増益で着地したことに加え、今期の業績予想も増収増益としたことが好感されました。一方でパイオニア(6773)が10%の大幅安となりました。今期の純利益予想を従来の35億円の黒字から30億円の赤字に下方修正したことが嫌気されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
上昇して始まった日経平均ですが、円高進行が嫌気され結局続落しました。米国市場は上昇したとは言えボラティリティが高く、ドル円が円高に振れていることで警戒感が強まっているようです。今週は日本企業の決算発表が佳境をむかえます。また、14日に発表される米国の消費者物価指数(CPI)や小売売上高なども注目材料と言えそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)