1.概況
本日の日経平均は37円安の2万3631円と小幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数も小幅に下落しましたが新興市場のマザーズ指数は小幅に上げています。昨日の米国市場でダウ平均が140ドル高となり、ドル円が109円台まで円安に戻したことを受け日経平均は87円高の2万3757円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に128円高をつける場面がありましたが上値は重く、その後は徐々に上げ幅を縮めました。10時過ぎに一時マイナスに転じる場面もあった日経平均は、前場を34円高で終えました。後場寄り直後は前日終値近辺で推移した日経平均ですがまもなくマイナスに転じました。一時は77円安まであった日経平均は結局37円安と小幅に続落して取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆9075億円となりました。東証33業種は繊維製品や精密機器、その他製品など11業種が上昇しました。一方で石油石炭製品が4%安となったほか、鉱業や保険業など22業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)やソニー(6758)、楽天(4755)、トヨタ自動車(7203)などが上昇しました。中でも楽天は米小売最大手のウォルマート・ストアーズ(WMT)と提携すると発表したことを受け買われて4.5%の大幅高となりました。一方でメガバンク3行やソフトバンクグループ(9984)、東京エレクトロン(8035)などが下落しています。材料が出たところでは、昨日第3四半期決算を発表した業務ソフトウェアなどを手掛けるオービック(4684)は、10-12月の売上高が前年同期比12.8%増、営業利益が29.1%増と好調だったことを受け2.5%高としっかりでした。一方で昨日1四半期の決算発表を行ったサイバーエージェント(4751)は前年同期比13%の増収、30%近い営業増益となったものの売上高の伸び率が前四半期などと比べて鈍化したことや注力するネットテレビの「AbemaTV」の先行きが懸念されてか5%近い大幅安となっています。また、富士通ゼネラル(6755)は10-12月の売上高が前年同期比11.6%減、営業利益は96%減と冴えなかったことが嫌気され10%以上下落しました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
反発して始まった日経平均ですが、結局続落しました。ドル円は109円台半ばまで円安に戻しましたが、短期的に底打ちしたかどうか不透明でこれ以上の円高が進むと日本企業の業績圧迫要因になりかねないことから上値を追いづらい状況にあるとみられます。来週は決算発表を行う日本企業の数が大きく増加します。全般的には好調に推移しているとみられる日本企業の業績ですが、上方修正に踏み切る企業がどの程度出てくるかが注目ポイントと言えそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)