1.概況
本日の日経平均は271円安の2万3669円と続落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で主要指数が高安まちまちで支援材料になりにくく、ドル円が109円台前半まで円高に振れたことを受け日経平均は190円安で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に徐々に値を戻すと10時頃には下げ幅を110円余りまで縮めました。その後日経平均は再び下げ幅を広げると前場を217円安で終えました。日経平均は後場寄り後しばらくは前引け水準での推移が続きましたが、ドル円が一時108円台をつけたことも嫌気されてか13時半頃から一段安になると下げ幅が290円を超す場面もありました。結局日経平均は271円安と1日の安値圏で取引を終えています。東証1部の売買代金は2兆9626億円となりました。東証33業種は石油石炭製品、鉱業、陸運業の3業種のみ上昇しました。空運業や電気機器、銀行業などの30業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下落しました。任天堂(7974)、ソニー(6758)、三菱UFJ(8306)、ファナック(6954)、三井住友(8316)、ソフトバンクグループ(9984)などがいずれも下落しています。昨日第3四半期決算と自社株買いを発表した日本電産(6594)は売買代金4位に入って1.7%高としっかりでした。円高が業績の追い風になるとの思惑からニトリホールディングス(9843)が買われて2.3%高となりました。その他材料が出たところでは、株主優待の内容変更を行った東京個別指導学院(4745)が10%近い大幅高となりました。なお、同社の株主優待はこれまでの授業料の割引券から株主優待カタログに変更されます。一方で10-12月の営業利益が前年同期比44%減と冴えなかったカワチ薬品(2664)は4%近い大幅安となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
円高が止まらず日経平均は300円近く下落しました。ドル円が110円を超える水準の際には多少の円高が進んでも無視するように株高が進みましたが、108円台となると今後の日本企業の業績圧迫要因になりかねないことから株価の重荷となっています。ドル円の反発を確認できない限りは日本株の本格的な反発もやや難しいと言えそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)