1.概況
本日の日経平均は104円安の2万3763円と続落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で主要指数が大きく上昇して史上最高値を更新したこと、ドル円が111円台前半まで円安に戻したことを受け日経平均は210円高の2万4078円と2万4000円台を回復して寄り付きました。本日の日経平均は寄り付きの水準が1日の高値になるとその後は上げ幅を縮める展開となりました。節目の2万4000円を回復し高値警戒感も出たのか日経平均は徐々に上げ幅を縮めて前場を110円高で終えました。日経平均は後場に入ってやや盛り返しましたがその後再びじりじりと上げ幅を縮めました。14時過ぎからマイナスに転じた日経平均は結局1日の安値圏で取引を終え続落となりました。東証1部の売買代金は3兆5901億円となりました。東証33業種はゴム製品、その他製品、精密機器、鉱業、電気機器の5業種のみ上昇しました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は下げた銘柄が多くなりましたが、家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」と組み合わせて遊べるダンボール工作キット「Nintendo Labo」を発売すると発表した任天堂(7974)は売買代金トップの商いを集めて2.4%高となりました。その他にも東京エレクトロン(8035)やファーストリテイリング(9983)も上昇しましたが、ファナック(6954)、三菱UFJ(8306)、トヨタ自動車(7203)、ソフトバンクグループ(9984)、三井住友(8316)などが下げています。材料が出たところでは、棚卸資産評価などで不適切な会計処理の疑義が判明したと発表した自動車部品のファルテック(7215)は6.5%安となりました。一方で中国最大の決済サービス「アリペイ」の提供を開始すると発表したアクロディア(3823)はストップ高となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
大きく上昇して2万4000円台の節目を回復して始まった日経平均ですが、終わってみれば104円安と続落しました。日経平均は長い陰線を引いて2万4000円を突破できずに跳ね返された格好となり、今後2万4000円が短期的な天井として意識されやすい可能性があります。長い期間をおかずに再び節目にチャレンジできるか注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)