1.概況
本日の日経平均は61円高の2万3714円と4日ぶりに反発しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。先週末の米国市場で主要指数が史上最高値を更新したことを受け、日経平均は174円高の2万3827円で寄り付きました。本日の日経平均は円高が重石となり上値の重い1日となりました。寄り付きの際に111円近辺だったドル円が110円台後半まで円高に振れたこともあり、日経平均は寄り付きの水準が1日の高値となるとその後は上げ幅を縮める展開となりました。一時は上げ幅を30円台まで縮めた日経平均は前場を54円高で終えると、後場に入ってからは狭い値幅での推移となりました。日経平均は結局61円高と1日の安値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆4901億円となりました。東証33業種は証券商品先物、銀行業、不動産業、海運業など景気敏感業種を中心に23業種が上昇しました。一方で石油石炭製品や鉄鋼、空運業など10業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は上昇した銘柄が多くなりました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)、任天堂(7974)、三菱UFJ(8306)、三井住友(8316)、ファナック(6954)、トヨタ自動車(7203)、みずほ(8411)がそれぞれ上昇しました。携帯事業会社を東証1部に上場させる方針と報じられたソフトバンクグループは3.2%高となりました。その他材料が出たところでは、人材派遣のパソナ(2168)が13%近い大幅高となりました。先週末に発表した決算発表で9-11月の売上高が前年同期比15.6%増、営業利益が173%増と堅調な業績が評価されました。一方で戸建住宅販売を手がける三栄建築設計(3228)は9%超の大幅安となりました。9-11月期の営業利益が前年同期比31%減と冴えなかったことが嫌気されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
4日ぶりに反発した日経平均ですが、円高が重石となって上値が重かった印象です。今週はやや材料難とみられるなか、ドル円が110円を割り込むような円高に振れるのか反発するのかによって相場展開が分かれてきそうです。ただ、今月下旬から本格的な決算発表を控えており日本企業への好業績期待は高いことから多少の円高が進んでも下げは限定的なのではないかとみています。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)