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【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
先週末の米国市場は雇用統計を受けて利上げが緩やかなペースになるとの見方が強まるなか4日続伸となり、主要3指数が揃って連日で史上最高値を更新しました。昼過ぎに100ドル高余りまで買われるとその後も堅調に推移したダウ平均は取引終盤に一段高になると220ドル高の25,295ドルと高値圏で取引を終え、3日連続で史上最高値を更新しています。また、S&P500株価指数も19ポイント高の2,743ポイントとなり、4日連続で史上最高値を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も58ポイント高の7,136ポイントとなりこちらも4日連続で史上最高値を更新しています。

昨日の米国市場は高値を更新した後で利益確定売りが出やすいなか小幅に高安まちまちとなりました。小幅に上昇して始まったダウ平均ですが上値が伸び悩むと直ぐにマイナスに転じ一時は60ドル安まで売られました。午後に入って持ち直す場面もみられたダウ平均ですが、前日終値近辺では上値が重く結局12ドル安の25,283ドルと5日ぶりに反落となっています。一方でS&P500株価指数が4ポイント高の2,747ポイントとなり5日連続で史上最高値を更新したほか、ナスダック総合株価指数も20ポイント高の7,157ポイントとなりこちらも5日連続で史上最高値を更新しています。

2.経済指標等
先週末に発表された12月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は14万8千人増に止まり市場予想を下回りました。失業率が前月から横ばいの4.1%となったほか、平均時給も前年同月比2.5%増となりともに市場予想と一致しています。12月の米ISM非製造業景況感指数は55.9と前月から低下し市場予想も下回っています。11月の米貿易収支の赤字額は前月比3.2%増の504億9700万ドルとなり市場予想を上回る赤字となっています。

昨日発表された11月の米消費者信用残高は前月比279.5億ドル増加し市場予想を上回りました。

3.業種別動向
先週末の米国市場で業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術やヘルスケア、素材などの9業種が上げ、情報技術は1%を超える上昇となりました。一方でエネルギーと公益事業が下げています。

昨日の米国市場で業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や不動産、エネルギーなど9業種が上げ、公益事業は1%近く上昇しました。一方でヘルスケアと金融が下げています。

4.個別銘柄動向
先週末の米国市場ではボーイング(BA)が4%余り上昇しダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり、1銘柄でダウ平均を80ドル以上押し上げました。ダウ平均構成銘柄ではビザ(V)と保険のユナイテッドヘルス(UNH)も2%前後の上昇となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、2018年度の業績見通しが好感されたドラッグストアのCVSヘルス(CVS)が4%を超える上昇となっています。一方で100店舗の閉鎖を発表した小売りのシアーズ・ホールディングス(SHLD)が3%近く下げたほか、決算で売上高が市場予想に反して減少したビール大手のコンステレーション・ブランズ(STZ)も2%を超える下げとなっています。

昨日の米国市場では投資判断と目標株価の引き上げを受けてキャタピラー(CAT)が2%を超える上昇となり、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、画像用半導体のエヌビディア(NVDA)が3%余り上昇し上場来高値を更新しました。自動運転向けの人工知能(AI)技術で独フォルクスワーゲンやウーバーテクノロジーズ、中国のインターネット検索最大手の百度(バイドゥ)などと提携すると発表したことが好感されました。年末商戦が好調で2018年1月期通期の利益見通しを上方修正した百貨店のコールズ(KSS)も5%近く上げました。一方で投資判断が引き下げられたと伝わったネットラジオ局のパンドラ・メディア(P)が6%以上の下落となりました。

5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.02%高い2.47%となりました。昨日の長期金利は0.01%高い2.48%となりました。ドル円は113円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
昨日の米国市場でダウ平均は反落となったものの、先週末と昨日をトータルすると200ドルを超す上昇となっていることや、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は連日で史上最高値を更新していることから本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の24,000円を試すような展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)