1.概況

本日の日本市場は個人の中小型株への買いを支えに小幅に反発しました。日経平均は米国株安を受けて38円安の22,854円で寄り付きましたが、下げ渋るとしばらくしてプラスに転じました。43円高で上値を押さえられ伸び悩んだことで11時前に小幅なマイナスとなる場面もありましたが、直ぐに持ち直すとその後は小幅高で推移しました。ただ、一日を通して上値は重く結局、日経平均は18円高の22,911円と小幅に反発して取引を終えています。規模別株価指数は個人の買いを背景に中型株と小型株が上昇しましたが、休暇の海外投資家も多いなか大型株は小幅に下落となっています。個人の買いを背景に新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに上昇し、東証マザーズ指数は3%を超える大幅上昇となり6月22日に付けた年初来高値をおよそ6ヵ月ぶりに更新しています。また、本日も薄商いで東証1部の売買代金は1兆7089億円と引き続き2兆円を割り込んでいます。

2.個別銘柄等
昨日の取引終了後に第3四半期の決算を発表したJ.フロント リテイリング(3086)が一時8%以上上昇し年初来高値を更新しました。営業利益が前年同期比で3割近い大幅増益となったことが好感されました。引けは6.1%高となっています。リビアでのパイプライン爆発による原油価格の上昇を受けて石油元売りも堅調で、出光興産(5019)が2.7%高、JXTGホールディングス(5020)が2.6%高、コスモエネルギーホールディングス(5021)が8.2%高となり、3銘柄揃って年初来高値を更新しました。川崎重工業(7012)は当期利益を下方修正しましたが、国内大手証券が今回の下方修正で今後の業績リスクが低下したとして投資判断と目標株価を引き上げたことで7.9%高と大きく上げています。2018年5月期の上期決算を発表した半導体シリコンウエハー加工の三益半導体工業(8155)も通期の業績予想を上方修正したことで4.8%高となっています。一方でラーメン店チェーンのハイデイ日高(7611)が5.2%安と大きく下げました。第3四半期決算で3月-11月の9カ月間累計の営業利益は前年同期比で微増益を確保したものの、9-11月の3カ月間でみると6-8月に続いて減益となり失望を招きました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
米国株安を受けて安く始まった日経平均ですが直ぐに切り返すと30円強の配当落ちを埋めてプラスとなり25日に付けた年初来高値(22,939円)に迫る場面もありました。そして昨日に7営業日ぶりに割り込んだ5日移動平均線(22,902円)も回復しています。明日と明後日の展開に期待が持てそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)