1.概況
本日の日経平均は313円高の2万2811円と続伸しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場で主要指数が上昇したことやドル円が113円台まで円安に振れたこと、また寄り付き前に発表された7-9月期のGDP改定値が前期比年率換算2.5%増と速報値の1.4%増から市場予想を上回る大幅な上方修正となったことも好感され、日経平均は129円高の2万2627円で寄り付きました。日経平均は寄り付きがほぼ1日の安値となるとその後は1日を通して上げ幅を広げる強い展開となりました。前場を274円高で終えた日経平均は後場に入っても高値圏で堅調に推移すると取引終盤に一段高となりました。日経平均は結局313円高と1日の高値圏で取引を終えました。なお、日経平均のSQ値は2万2590円66銭でした。東証1部の売買代金はSQ日ということもあり3兆7465億円まで膨らみました。東証33業種はその他製品を除く32業種が上昇しました。中でもパルプ・紙が2%を超える上昇となったほか、不動産業、精密機器、海運業、空運業などが高い上昇率となりました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位は上昇した銘柄が多くなりました。売買代金トップの任天堂(7974)こそ2%近く下げたものの、三菱UFJ(8306)、ファーストリテイリング(9983)、ソフトバンクグループ(9984)、東京エレクトロン(8035)、トヨタ自動車(7203)、三井住友(8316)などがそれぞれ上昇しました。材料が出たところでは、次のiPhoneで全面的に有機ELが採用されるわけではなく一部は液晶も採用されると報じられたことを受け、液晶に強みを持つジャパンディスプレイ(6740)が8%超の大幅高となりました。また、本日の13時半に自社株買いの発表を行ったHOYA(7741)は発表後に急伸して6%近く上昇しました。一方で今期の利益予想を大幅に下方修正したウェブマーケティングを手掛けるショーケース・ティービー(3909)は22%近い大幅安で東証1部の下落率首位となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は外部環境の好転を受け大幅続伸となりました。今週は水曜日に445円の大幅安となりましたが、結果的には絶好の押し目となりました。本日の22時半に米国雇用統計が発表されます。市場予想では雇用者数や賃金などの重要指標はいずれも堅調な内容になるとみられています。来週最大の注目材料は米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催です。市場では利上げの実施自体は既定路線とみられていますが、「プロジェクション」で示される来年以降の利上げペース見込みや来年2月で退任することが決まったイエレンFRB議長がどのような発言を行うかが注目されます。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)