1.概況
本日の日経平均は2万2011円と昨日から1円未満のマイナスでほぼ横ばいでした。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数も下げた一方で新興市場のマザーズ指数は小幅に上げています。昨日の米国市場で主要指数が下落したこと、ドル円が113円近辺まで円高に振れたことを受け日経平均は114円安の2万1897円と反落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に170円超まで下げ幅を広げましたがその水準が1日の安値になるとその後は徐々に下げ幅を縮める展開となりました。前場を78円安で終えた日経平均は後場に入ってもじりじりと下げ幅を縮めて14時頃にはプラスに転じました。その後日経平均は引けにかけて昨日の終値近辺で推移し、結局1円未満の下落とほぼ横ばいで取引を終えました。東証1部の売買代金は3兆5298億円と昨日に引き続き高水準でした。東証33業種は倉庫運輸関連やその他製品、不動産業など13業種が上昇しました。一方でゴム製品や銀行業、石油石炭製品など20業種が下げています。なお、お昼休みの時間帯に日銀の金融政策決定会合の結果発表が行われました。事前の予想通り金融政策の現状維持が決定されましたが、片岡剛士審議委員が15年物の国債金利が0.2%未満で推移するよう長期国債の買い入れを行うべきと主張したことが明らかとなったことで今後の追加緩和実施の可能性が意識されたのか、発表後にドル円はやや円安に振れました。
2.個別銘柄等
昨日決算発表を行った任天堂(7974)が東証1部の売買代金トップに入り2.2%上昇しました。今期の売上高予想を従来の7500億円から9600億円に、営業利益予想を650億円から1200億円に大きく引き上げたことが好感されたほか、今後のさらなる上方修正の期待も高まったとみられます。一方で売買代金2位のソフトバンクグループ(9984)は4.6%の大幅安で日経平均を50円超引き下げました。同社の傘下である米通信会社のスプリント(S)とTモバイルUS(TMUS)の経営統合協議が打ち切られたとの報道によりスプリント株が大幅安となったことが嫌気されました。その他の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。神戸製鋼所(5406)やソニー(6758)が上昇した一方で、SUMCO(3436)やトヨタ自動車(7203)、三井住友(8316)などが下げています。材料が出たところでは、昨日第3四半期の決算発表を行った花王(4452)が5.4%の大幅安となりました。7-9月の3ヶ月間の営業利益が前年同期比0.7%増にとどまるなど、業績の伸び悩みが嫌気されたとみられます。また、通期の業績予想を大幅に下方修正したぐるなび(2440)は16%超の大幅安で年初来安値をつけています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均が10月2日から24日まで史上最長となる16連騰を記録したこともあり、10月の日経平均は値上がりした日が19日、値下がりはわずか2日となりました。月間での値上がり幅は1,655円、値上がり率は8.1%となりました。昨日も記しましたが、今後は佳境を迎えつつある日本企業の決算発表や米国の重要経済指標、FRB議長人事が注目材料となりそうです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)