7月は海外指数が堅調・ドル円が軟調な傾向

2017年も早いもので半分が終わり、いよいよ後半戦に突入した。本レポートでは下期の投資戦略のご参考としていただくべく、過去の7月相場の特徴をご紹介したい。まず、表1は過去10年間の外の主要な株価指数や外国為替の7月の値動きだ。ダウ平均や上海総合指数、ドイツのDAX指数など海外指数は10年間で7回上昇と堅調な一方で、ドル円は10年間で7回円高に振れるなど軟調なことが特徴と言えそうだ。

個人投資家の売り越し、海外投資家と事業法人の買い越しが目立つ

続いて過去10年間における部門別の売買動向を調査した。部門別売買動向を見れば「個人投資家」・「海外投資家」・「投資信託」・「事業法人」などの各投資主体が株式を買い越したのか、売り越したのかを知ることができるため、市場の需給動向を見極めるための参考データとして重要視されている。表2で過去10年間の7月の主要部門の2市場(東証・名証)の買い越し・売り越し状況(金額ベース)をまとめた。
表でまず目につくのが個人投資家の売り越しだ。10年間で8回売り越している。一方で海外投資家と事業法人は10年間で7回買い越している。特に海外投資家は表1で見たように7月の海外株式が概ね堅調な傾向にあることから、日本株についてもリスクを取りやすかったのかもしれない。

過去10年間7月にすべて上昇した銘柄とは

では続いて銘柄別のデータを見ていこう。東証1部・2部・マザーズ上場銘柄のうち、過去10年間の株価データを取得できた1,898銘柄について6月末と7月末の株価を比較した騰落回数を算出した。表3の通り、過去10年間すべて上昇した銘柄が3銘柄、10年のうち9年で上昇した銘柄が19銘柄あった。具体的な銘柄は表4に示した。

過去10年間7月にすべて上昇したのが、日本電産(6594)、魚力(7596)、大庄(9979)の3銘柄である。この3銘柄の2007年7月から2016年7月までのすべての月(109ヶ月)の上昇回数は、日本電産が60回(55.0%)、魚力が61回(56.0%)、大庄54回(49.5%)と全期間で値上がりした月が圧倒的に多いわけではなかった。この結果を考慮すると、もちろん偶然の要素もあるのだろうが、株価に一定の季節性が働いていると考えることができるかもしれない。今年も過去の傾向どおりとなるのか、ぜひ株価をウォッチしていただきたい。