みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週も窓についてお話ししたいと思います。
前回はフィボナッチリトレースメントの76.4%押しの水準で下げ止まったところまでお話ししましたが、その後の株価はどうなったのか早速確認したいと思います。

前回は、2017年9月8日の安値から今年1月23日の高値までの値幅の76.4%押しの水準で下げ止まりましたが、そのあとは反発する展開となっているのが分かります。
また5日移動平均線を上回ると同時に上向きの200日移動平均線も上回り、3月22日と23日のあいだにあけた窓も埋めました。

さらに下向きの25日移動平均線を一時上回る場面がありましたが、結局今週の4月2日は押し返されて陰線を形成しているのが分かります。

この4月2日に上ヒゲを形成した日を含めて遡っていくと、2月27日、3月16日とそれぞれ25日移動平均線上を維持できずに反落してしまい、その後に安値を模索するような値動きになっているのが分かります。

こうした状況を見ますと、どうやら25日移動平均線が上値の抵抗になっており、株価の反発を妨げているように思われます。

また、25日移動平均線に押し返されたり、上回っても維持できなかったりする状況が株価の上値を重たくすると同時に窓を埋められない原因になっています。

では実際にまだ埋まっていない窓を確認してみますと、2月2日と5日のあいだにあけた窓。また2月5日と6日にあけた窓と、今年の初めに発生した2つの窓を埋め切れていないことが分かります。

このように直近にあけた窓を埋めることができても、2月に発生した窓を埋めることができない理由として考えられるのが前述の25日移動平均線です。この移動平均線を上回って維持できるまでは、2月にあけた2つの窓を埋めることは難しく、高値更新などは夢物語になってしまうのです。

また、再び下方向に窓が発生するようですと、前回下げ止まって76.4%押しの水準に再び近づいたり、割り込んだりすることも考えられるため、買いポジションを持っている投資家は警戒が必要になるのではないかと思われます。

一方で25日移動平均線を上回って維持するようですと、前述のまだ埋めることができていない窓を埋めるところまで反発が続くことになるかもしれません。

いずれにしても直近にあけた窓を数日や1,2週間で埋めることができない状況が続くときは、窓の種類がコモンギャップ(普通の窓)と判断されても発生した窓の方向にトレンドが継続していると考え、逆のポジションを持たないようにすることが重要です。

コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
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