昨日、東証が発表した3月第3週の投資部門別売買動向によると、海外投資家の売り越しは11週連続となった。しかし先物については9週ぶりに買い越しに転じた。現物株・先物合計の売越額は2566億円で、これで2週続けて売り越し額が縮小している。日経新聞が報じているように、海外の短期筋による売り物も一巡感が出ている。一方、個人投資家は大幅買い越しだった。買い越し額は5304億円。昨秋の上昇相場で個人の初動は一貫して売りだった。結局、相場に乗り遅れ買い場探しのまま潤沢な現金がMRFなどに滞留していた。今回の大幅な下落局面は逆張りの好機と映ったようだ。
外国人の売りも一巡し、押し目では個人が買いに動く。先週のスナップショットでは「完全なボトム」と述べたが、新年度入りのこのタイミングで日本株相場も底入れだろう。
日経平均はサポートラインだった200日移動平均を下回ったものの、早期に奪回してきた。200日線自体が右肩上がりのトレンドを維持しており、これに沿った動きをする限り、相場の長期的な上昇基調は崩れていない。すなわち1月下旬につけた24000円台の高値から2カ月に及んだ急落は長期上昇トレンドのなかの短期的な調整局面と位置付けられる。
日経平均はトレンドを維持しているが、個別銘柄でもトレンドを確認しておこう。
まず200日線にきれいにサポートされているのが、僕のトップピックのひとつ、リクルート(6098)だ。下値は200日でみごとに支えられ、一方上値は75日に抑えられ、この両者に挟まれる格好の三角保ち合いを形成しているが75日線の上値抵抗をブレイクする寸前だ。上に放れれば再度、高値トライの態勢が整うと思われる。
ピジョン(7956)も200日線を底値サポートに、75日&25日線をトレンドラインとして緩やかな上昇基調を維持してきたが、ここにきて上に放れ始めた。新しい株価水準のレンジに移行するものとおもわれる。
先日の決算でも売られなかったニトリ(9843)にはもはや死角がないように思われる。決算を受けた日経の記事の見出しが、「ニトリHD、最高益に死角」は皮肉であった。円高メリット株であるのは周知の通り。僕は、この銘柄の株価に非常に強いトレンドがあることに以前から注目していた。好業績の期待が高いだけに、その高い期待に届かず売られることがあり、そうした場合は窓空けして急落するが必ず節目で止まる。昨年6月の急落は75日線で、12月の急落は200日線で止まった。そして足元の円高局面では連日で最高値を更新してきた。サポートラインを、200日⇒75日⇒25日と切り上げて、再び高値を伺う勢いである。円高懸念が払しょくできない相場では、非常に安心感があり、銘柄分散の観点からもポートフォリオに欠かせない銘柄だと思う。
200日線よりかなり上方に放れて高値保ち合いで推移するのがオリエンタルランド(4661)と任天堂(7974)だ。横ばいのボックス相場のように見えるが、この2カ月の大波乱の相場のなかで、横ばい推移だったというのは、ものすごく強い動きだったと言える。右肩上がりで推移する200日線が下から迫り、相場全体が戻りを試すなかで、この両者の株価も再び高値を獲りにいくものと思われる。