本年もよろしくお願いいたします。
さて、2018年の日経平均はロケットスタートとなりました。なんせ、昨年は1996年高値22,666円を上回りましたので、長期的な上昇トレンドへの期待が高い局面です。そんな状態にある中で、1日には北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長が平昌五輪への参加の意思を示しました。これが大きかったみたいですね。筆者もお正月休みの間でいちばん安心感を与えてくれた材料です。海外投資家の買いも年初から入っています。米国市場に上場している日本株のETFを買ったようです。
一方、アベノミクス相場における安値→高値までの中期的な上昇リズムでみると、2016年6月安値からの上昇期間が過去の上昇期間を超えるまでに成熟している点は気がかりです。もうひとつは、日経平均の12カ月線(1年間の平均値)からの上方かい離率が広がっている点です。最近の高値を付けた例でいくと、昨年の11月高値時には上方かい離率が15%程度で株価が頭打ちとなりました。そこを基準に今回も15%程度が意識されるとすると、23,800円程度が上値の目安となります。上がるときは勢いがあるので、2015年当時のように15%をオーバーし、18%程度まで買われた経験があることを踏まえると、24,400円程度まではあるかもしれません。ただ、前回お話ししたように、1~3月は海外投資家の買いが継続しない傾向もあるため、早い段階で高値を付け、調整に入る可能性が高いとみています。
マザーズ指数を同じように12カ月線からのかい離率でみます。これも最近の例でみると、昨年6月に高値を付けた際、上方かい離率が20%程度で指数が頭打ちになりました。それを今に置き換えると1,357ポイント付近になります。そこから多少はオーバーシュートしたとしても、やはり筆者が思うには、2004年11月安値1,391ポイントあたりを目指して動いているとしか考えられない。今年1年間を通せば、上値余地はもっと大きいと思います。
2013年~2016年までの5年間平均で、マザーズ市場の1日当たりの売買代金をみると、1月は12月の勢いが残る一方、2月と3月は減少傾向、再び4月~6月に盛り上がることが多いです(図表)。今年はどうか?
筆者は2016年のパターンではないかと思います。2016年というのは2月中旬から4月後半にかけ、売買代金の増加とともに指数もかなり上昇しました。そーせいG(4565)の売買代金のシェアが異常に高まった時です。でも、それ以降のそーせいGのシェアは低下の一途です。だからと言って、幅広い銘柄に資金が分散しているとも言い難い。ただ、そういった過熱感のない適温相場が、昨年上昇を保てた要因だと思います。ここから勢い付くためにはやはり物色の柱が必要です。今、市場は日替わりでその核となりえる銘柄を探しているような感じですね。
東野 幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
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