日経平均はSQ直前の11月9日、高値と安値の値幅が約860円となり、ちょうど1年前のトランプ波乱(昨年11月9日)以来の値動きの大きさとなりました。1年周期は重要です。そういえば、2015年の年間高値が6月24日、その1年後の6月24日に2016年の年間安値をつけました。なので、1年といえば偶然のように聞こえますが、地球が太陽を1周するのに1年かかることを考えると、9日は「魔」の力が働いたのかもしれません。
最も、SQ前後は需給面での分岐点になりやすいといわれますし、日柄分析でいうと、9日高値は9月8日安値を起点に「42日目(基本数値)」が経過したタイミングであったことなど、ある意味で納得のできる高値といえるでしょう。終わってみれば、何でもいえますけど・・・

ただ、今の調整局面で忘れてはいけないことは、今回の上昇相場で日経平均とTOPIXはバブル崩壊後の戻り高値を上回ったことで、日本株は中長期的に新たな局面入りとなった可能性が高いということです。海外発の相場理論「ダウ理論」でみた日経平均の高値切り上げ、安値切り上げへの大きな波動の変化を、順張り好きの海外投資家がどうみているのか。しばらくは売買手口を観察する価値はありそうです。

国内企業の4-9月期の決算発表はメガバンクで終了しました。日経平均が高値を付ける過程で先に調整に入っていたメガバンク株が、先に持ち直してくるかどうかが注目です。業績がパッとしないようでも、やはりここが柱にならないと相場全体の水準訂正も厳しい。
年末までを見据えれば、ドル/円相場の動向がカギを握ることになるでしょう。久しぶりにアメリカの長期金利が2.4%台を回復したと思いきや、10月ISM製造業景況指数は前月から低下、大型ハリケーンの影響で減少した9月の反動で大幅増が予想された10月の非農業部門雇用者数は市場予想を下回りました。今週発表された10月の小売売上高もさえない、消費者物価指数も低調ということもあって、再び2.3%台前半まで低下してきました。アメリカの景気はこれからも堅調が続くのか、来年利上げできるのか?為替市場や債券市場は迷っています。
さて、来週の23日はサンクスギビングデー(感謝祭)。年末までの商戦を占う上でも、感謝祭翌日から日曜日までの消費の勢いに関心が移る局面に入ってきます。

図表は、感謝祭の翌営業日から年末までの株価の騰落(勝敗)と平均騰落率をみたものです。1993年からのデータを使いました。アメリカの大型株(S&P500)の騰落率だけをとると、さほど魅力のある期間ではないですが、勝敗にしても騰落率にしても圧倒的に小型株が優位な期間であることがわかります。
日経平均の勝敗はイマイチ。次の重要変化日は、9月8日安値から「51日目(基本数値)」となる22日前後が注目となります。感謝祭の手前ですね。
仮に、図表の傾向のように今年も米小型株指数のラッセル2000が強いのであれば、日本株もマザーズ市場や、本則市場でもこのところ下に突っ込んだ小型株が相対的に良いのかもしれません。トレーダーズウェブのスクリーニング機能を使って、選んでみてください。無料セミナーも参加者募集中です。

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東野 幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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