マザーズ指数は5月31日まで9連騰を記録しました。一方、日足では25日線からの、プラスかい離率が5%程度になると上値が重くなる傾向が強く、足元は概ねその水準に位置しています。売られ過ぎや買われ過ぎをみる、RSI(相対力指数)の9日ベースでみると、100%になりました。そういった意味では、高値警戒が意識されるところですが、今年11連騰したあとに付けた3月高値をすでに上回り、年初来高値を更新しています。ですので、目先の調整があっても、25日線あたりをサポートに上昇期待が続くと思われます。日経平均も5月は年初来高値を更新していますので、考え方は同じです。

さて、図表のように、マザーズ指数を日経平均で割った相対指数(右メモリ、青)の推移と、マザーズ市場と東証1部の売買代金の比率(左メモリ、オレンジ)の推移をみて、どのように感じるでしょうか。当然ながら、マザーズ市場に資金が入ってくるとき、ある意味ブームに近いので、相対指数も上昇する傾向があるのですが、足元はそこまでではありません。これをみてどう感じるかは、さまざまです。売買高が盛り上がっていないため、マザーズ指数の優位性は伸びないと判断するのか。
一方、相場分析で用いられるトレンドラインで考えるとどうでしょう。相対指数は上値を切り下げる下降トレンドラインの下にいるときは日経平均優位ですが、それを上抜けると逆に下値を切り上げるマザーズ指数優位に変わっていく可能性が高まります。下値が切り上がることが確認できるのは、昨年4月に盛り上がった際の高値を上回る必要があります。もし、そうなるのであれば、中期的に小型株優位の流れは続く。つまり、マザーズ市場全体の盛り上がりはまだ先に大いに期待できるというわけです。

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実は、マザーズ指数は、去年の4月に向けて大きく急上昇した後遺症が現在も残っている状態です。どういうことかと言いますと、一般的によく使われる中期トレンドの方向を示す52週線が上昇しきれないのです。52週前の株価水準が今よりも高いためです。来週まではそんな状態が続くわけですが、6月12日からはじまる週から、今の株価の方が52週前の株価よりも高くなる逆転現象が起きるため、52週線は上向いてきます。しばらく上向きが続きそうなので、株価も長い呪縛から解けて、緩やかな上昇が見込まれます。

東野 幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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