ドル/円は1ドル=116円処のフシ突破です。意外にあっさりと上回って円安が進みました。116円台というと、アベノミクス相場の大幅な円安局面で、積もり積もった円売り超(円買いよりも円売りの方が多い状態)のポジションが、円買い超(円買いの方が円売りよりも多い状態)のポジションに変わり、円高が加速し始めた水準です。チャート上では、円安トレンドが円高トレンドに変わったと、多くのテクニカルアナリストが判断した水準と一致します。いわゆる、ネックラインという需給の節目ともいえる水準で、今年の1月20日に付けた安値115.98円、2015年8月24日に付けた安値116.18円を1本の線で結び、それを延長すると12日に付けた116.12円にピッタリとあうことがわかります。ある意味、チャート上では戻りの1つの限界水準ともいえるわけですが、FOMC後の円安進行が一過性に終わるのかどうか。ダウ平均は極端に下げたわけではないのですが、2万ドルコース、1ドル=120円まで静観すべき局面なのかもしれません。
筆者は円安・株高のピークは先週と予想していましたので、当然大ハズレ!相変わらず上げ相場(為替相場でいうと円安)に弱いと痛感しました。結構、116円の水準は自信があったのですが、トレンドに逆らってはいけませんね。人にそうアドバイスしながら、自分の予測では逆張り志向になっていますから、反省しなければいけません。
一方、中国の上海総合指数の下げ幅が大きく、動きがあやしくなってきました。情報が伝わりにくい市場ですが、足元の急速な下げは何を意味しているのでしょうか。この記事を執筆している現在も気づきがありません。ただ、上海総合指数を月足でみると、6月以降は安値を切り上げ続けてきましたが、12月相場の下げで近づきつつある11月の安値(3,094P)を下回ってしまうと、これまで半年続いた強気相場のバランスが崩れることになります。そうなると、年初に起きた中国株ショックの二の舞になりかねない、少し不安です。

ダウ平均は20,180ドル程度を目先の上値メドとみています。2015年から約2年間のNN倍率(ダウ平均を日経平均で割って求める)の平均をとると0.99倍。なので、20,180ドルに対して日経平均は20,380円程度、といったところでしょうか?
日経平均がアベノミクス相場の高値から下がり始めた昨年8月以降、先物と現物株を合わせた海外投資家による日本株の売り越し額は、2015年8月第2週-9月第4週までの累計で12兆9,800億円程度です。一方、2015年8月第2週-11月第5週(最新情報)までの累計でみると8兆7,600億円の売り越しとなります。ということは、海外投資家は10月以降、先物と現物株を合わせて、すでに4兆2,000億円程度買い戻し(売り越しの減少分)たことになります。
しかし、価格帯でみると、海外投資家による18,500円以下の売り越し額は、概ね7兆円程度と推測できます。足元、18,500円を上回っているにもかかわらず、売り越し額の3分の1程度はまだ買い戻せていません。日経平均の水準だけで判断するのも無理はありますけれど、依然として買い余力があるということがいえます。

今年一年間の日経平均の動きを1本の「年足」のローソク足で示すと、今のところは長い下ひげのある「タクリ足」となります。たとえを述べますと、2012年後半から始まった上昇相場(山登り)の途中で足を滑らせ(調整)たものの、スノースパイクが体の支えとなり、さらに一歩上段に踏み上がろうとしているのが、今の上げ相場です。
上昇相場の途中にでる「タクリ足」は続伸の可能性が高く、2017年前半ぐらいまではその力は残っているはず。まずは、クリスマス休暇明けの海外投資家の行動が、年末に向けた株価の「掉尾の一振」につながるかに期待したいところです。
いつまで上昇するかのタイミングとしては、海外年金による日本株への資金配分が予想される年明けの1月中旬ごろがポイント。上値メドとして考えられるのは、2月12日安値(14,865円)から4月25日高値(17,613円)までの上昇幅2,748円を、4月25日高値に加えた20,361円処が考えられます。ピンとくるのは、トランプ氏が米大統領に就任するタイミングに近いことです。その手前で高値を付けて調整に入る見立てですが、おそらくトランプ氏への不透明な要因が2月あたりまでの調整の要因になるような気もします。
もし、2月までの調整が深ければ、2017年はモミ合い相場になるイメージを持っていますが、2月の調整が浅ければ、3月~5月は再び上昇相場となり、22,000円~23,000円は実現不可能な高値ではないと思います。ただし、2万円を大きく上回っていく局面では円安はあまり関係ないような気がします。

東野 幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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