NY原油先物とNY金先物の相関関係をみると、現在は逆相関が強い状態にあるといえます。逆相関とは両者が逆の動きをすることです。原油は年初から上昇基調を保っている一方、金の方は夏場から大きく下げていますので、なんとなく肌感覚でおわかりいただけると思います。
図表は、月の変動率の相関を6カ月間の平均でならしたものです。そうしないと、複雑で見づらくなるためです。過去の動きをみる限りでは、足元の強い逆相関も陰の極。いったん反転すると、「1.0」に近い順相関まで上昇する傾向があることから、ここから逆相関が弱まっていき、来年に向けては順相関の局面に入り、両者が同じ方向に動いていくように変わっていくことが予想できます。ただ、上げで同調するか、下げで同調するかはわかりません。

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2011年以降のNY原油先物の月足の一目均衡表をみると、長い高値もみ合いで概ね4つの高値をつけたあと急落し、現在は下値固め進行中です。最近ではOPECの8年ぶりとなる減産合意があり上昇期待が高まりましたが、今月は相場の中心として重要といわれる基準線が53.5ドルまで下がってきており、上値の抵抗になりやすいといえます。
一方、雲のネジレ(相場の基調が変化することがしばしばある)のタイミングでもあり、状況次第ではスピードをともなう動きがあるかもしれませんが、いずれにしても短期的な上値余地は57ドル程度が限界ではないかと思っています。
NY金先物を同じ期間でみると、原油とは違い、短い期間で高値を形成したあと、緩やかな長い調整が続いています。ただ、今年に入ってからの大きな変化を指摘するとすれば、長い調整局面でみられなかった大きな戻りがあったということで、やや底打ち感が強くなっています。現在は夏場に付けた高値からの調整局面ですが、下値のフシに到達してきていますので、そろそろ金価格はいったん自律反発が予想されます。

両者とも依然として月足では雲を下回る水準にあるために、大局でみるとまだまだ調整中です。金は自律反発のあと再び二番底を探る下げが予想できますし、原油も年初から上昇した分に対する反動が来年生じる可能性は十分ありえる。つまり、来年後半あたりは下落歩調に相関が強くなる展開なのかもしれません。
ただ、最後にいえることは、原油相場よりも、金相場の方が高値から今までの調整が浅いため、先に調整を終え、上昇志向を強めると思います。2018年に差し掛かるかどうかといった、まだ先の話ではありますが。

東野 幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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