日経平均は1万円を回復しました。ザラ場ベースで6月24日以来となります。メガバンク株もようやく一目雲を越える動きになり、指数をけん引してくるような雰囲気です。
ただ、株価が上昇しているわりには東京市場の出来高は増えません。先週末はSQ算出日という、月に一度のデリバティブ絡みの清算日でした。清算日は通常、いつもと比べて出来高や売買代金は増えるのですが、SQ算出日にも関わらず、東証1部の出来高と売買代金は前日を下回ってしまいました。出来高が増えないのを気にするのもあまり意味はないのですが、日経平均が1万円を越えて多少は増えるでしょうか・・・

実は日経平均、昨日のローソク足の陽線で「出会い」のパターンが完成したのです。16日の陰線と17日の陽線ローソク足を見てください。16日は9,900円処から始まって終値は9,800円処。逆に、17日は9,700円処から始まって終値は9,800円処。つまり、16日と17日の終値が「出会う」格好になったのです。通常この「出会い」は相場の方向転換を表す足といわれます。
9,800円処で株価が煮詰まっていた状態だったのでしょう。今日の寄り付き直後にほとんど動きがなかったのも、その延長と考えてよかったんですね。嵐の前の静けさ、というやつです。

もう一つ面白い点は、以前お話したかもしれませんが、8月31日の安値8,824円から左右対称的な動きになっていることです。チャート画面上で8月31日を中心に紙を折り曲げるようにすると、左右の株価の波動がほぼ同じ・・・・
若い証券マンの頃、まだパソコンが一人一台ない時代によくやりました。出遅れ銘柄や出遅れセクターを見るために、先輩のパソコンを使って印刷し、天井の蛍光灯に向けて見比べたものです。どうでもいい話なのですが、・・・そういった「株ごころ」も重要ですね。

7月1日安値~8月31日までが43日間、それに対等するのは8月31日安値~11月1日安値の42日間です。しかも、7月1日安値(逆三尊の左肩)と11月1日安値(逆三尊の右肩)は同じ水準。7月1日安値は、6月21日高値10,238円を基点に下げたあとの安値です。
つまり、足元11月1日安値からの上昇で、6月21日高値10,238円と同じぐらいの水準まで逆戻り(上昇する)と考えることはできます。うまくいけばですけど。9月後半高値から1ヶ月ぐらい調整しましたが、その調整幅の最大値は537円(10月6日9,691円~11月1日9,154円)。それを10月6日高値にさらに加えると、予測株価は10,228円になりますので、短期的には10,238円を前に反落するパターンにもみえますが・・・

東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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