いよいよ決算発表がスタート。まずは米国の企業からです。ここからさらに上にいくのか、利益確定売りのきっかけになるのか?高値警戒感が漂ってきた株式市場に対するポイントになりそうです。米決算発表で業績改善の勢いが強まっていれば、ここからでも株価上昇に弾みがつく可能性はあります。
では、米ダウ平均、弾みがつけばどのあたり?となるわけですが、以前お話ししました、2007年高値14164ドルから昨年3月安値まで下げた分に対する61.8%戻りの水準11254ドルあたりまでは上昇の可能性も。今の水準から11254ドルはやや寂しい感じもしますが、私も昔の証券マンながらガンガンの強気は控えます。

日経平均とダウ平均の相対比較を表すものに「NN倍率」というものがあります。日経平均をダウ平均で割って求めます。2008年以降、上限は1.2倍程度。リーマンショックのあと瞬間0.9倍を割り込みましたが、しばらく1.0倍程度を推移したあと夏にかけてまた1.2倍程度まで上昇しました。現在は11月のドバイショックで0.9倍割れがあったあと、戻り歩調にあります。とはいってもまだ1.0倍程度。上限1.2倍、下限1.0倍程度とみれば、1.0倍を割れば日経平均が割安、1.2倍程度になれば日経平均が割高になりますので、今後日本株が米国株にキャッチアップする可能性はあります。
上記の通り、ダウ平均11254ドルで下限1.0倍程度としても11300円ぐらい。1.1倍で12400円、上限1.2倍とすると13500円になり、意外高もありえることになります。最近、株価が上昇してきたせいか、市場参加者の予測値も12000円あたりに収束し、強気予測が多くなってきています。ただ、大勢意見が一致したときは、なかなかそのとおりにはなりません。だとすれば、その水準(12000円)からさらに意外高か、逆に昨年3月安値に対して二番底を探る、といったシナリオなども考えておく必要があるかもしれません。近いとしても、12000円に届かず・・・といったところでしょうか。小難しい話になりました。
さて、日経平均は変化日候補となる1月12日の10879円が現在の高値となっていますが、意外とまだ強い・・・。N計算値10948円に69円程度足りませんが、ここで終わりでしょうか。それとも、再度高値を取ってくるのでしょうか。N計算値をクリアすると、次ぎはE計算値11253円になります。もう少しみてみましょう。

1月12日の高値を付けたとき、海外の大手年金による買い観測が話題になりました。きょうも欧州系から買いが入っているとの噂でした。
過去のパターンでは、海外のアセットアロケーター(ポートフォリオの資産の管理、配分の助言する人)が年明け第1週から第2週で配分を決め、早いところでは第1週からトレードが始まるパターンがあります。だから年末は動きがない・・・。
このパターンが三連休前の金曜日から見られました。大幅上昇銘柄を見るかぎり、外国人投資家が大好きな銘柄ばかり。どちらかと言うと、米系よりも欧州系の方がトレードを始めるのが多少遅いようで、今週中もしくは来週中で終わるパターンが過去は多かったようです。外国人投資家の順張り買いは何処まで続くでしょうか。

東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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