5日の株式市場はTOPIXが14日ぶりに反落しました。そのまえ直近13日間で10.7%も上昇していたことや、25日移動平均線からのかい離率が5.5%程度まで拡大していたこと、また、サイコロジカルライン(12日)が100%となっていたこともあって、さすがに短期的な調整があっても不思議ではない状況でした。サイコロジカル(心理的)ラインは市場が強気一色になったとき相場はピーク。逆に弱気一色になった時にボトムを打つケースが多いといった心理的な指標でしょうか、大勢が強気になれば売り、弱気になれば買いのシグナルとみる逆バリの指標です。サイコロジカルライン(12日)が100%とは12日のうちで上昇したのが12日ということだけです。難しくありません。

 この13日間の業種別騰落率を調べてみると興味深いのです。33業種の上昇率トップ5は輸送用機器(プラス18.2%)、その他金融(プラス16.7%)、鉄鋼(プラス16.6%)、精密(プラス16.0%)、電気機器(プラス15.3%)などで、TOPIXを上回るパフォーマンスとなったのは13業種にのぼります。 その一方で、下落したのは空運(マイナス2.2%)のみ。プラス5.0%に満たなかったのは、海運(プラス4.9%)、サービス(プラス4.4%)、その他製品(プラス4.0%)、陸運(プラス3.6%)、電気・ガス(プラス0.9%)でした。第1四半期の決算発表で業績改善が確認できた自動車、ハイテク、金融などが大幅に上昇する一方、内需ディフェンシブ株や、業績低迷の海運株が伸び悩んでいたのがよく分かりますね。
 今日は引き続き輸出関連株に強いものが目立ちましたが、出遅れ感の強い内需ディフェンシブ株を選好する流れがこの先強まる可能性もあります。

 今日、電車のなかで新聞をひと通り読み終えたあと、何もすることがなかったので、新聞の株価の欄、業種別に分かれて株価が掲載されているページがありますが、そこを久しぶりに斜め読みをして見ましたが、確かにそんな動きも見られます。あまり、市場関係者などは新聞の株価欄をあえて見ることは少ないと思いますが、一週間程度継続してみていると傾向が意外とわかりますよ。どのセクターが物色されているか、どんなテーマが中心かが感じとしてわかってきます。新高値銘柄だけでなく、プラスマイナスの動きも重要です。私は証券マン新人のころ、その方法で出遅れ株を探していました。
 ただ、足元の上昇の背景には決算期待がありますから、"強いものは強い"、"ダメなものはダメ"といった動きになってくる可能性はあります。よって、ダメなものは出遅れで買ってもダメかも、ということです。
 以前、お話したように、出遅れ走者はゴール前の最後は注目されますが、注目される期間は短い傾向があると・・・・。あくまでも足元の上昇で強かった銘柄、それらの押し目を待つための短期的な出遅れ物色といった割り切り方がいいのかもしれませんね。業績相場になってきたら出遅れ物色は注意が必要です。

東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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