昨日の米国株式市場の上げ方は凄かったですね。NASDAQは年初来高値更新ですよ。過去になかった上昇幅ではないので大したことはないのですが、何が凄いと思ったかというと、ダウ平均やS&P500のあの位置からの上げ幅としてはかなり凄いと思いますし、重要なシグナルのようにも写ります。
 足元、マーケットの大勢の意見が楽観ムード後退といった雰囲気になっていただけに、あの上げ方は凄い。私は少なくとも考え方を変えないといけないと思いました。

 よく見ると、ダウ平均は週初に新値三本足が陽転してるじゃないですか。東京市場でその陽転に反応したのが、週初13日の大陰線で大きく下げた翌日に上に一気に仕返しに動いた14日です。
 基本的に大陰線を付けた翌日にあのような陽線で切り返す相場は基本的にまだ強いと見るべきです。昔、営業マンの時にそれを"陰線逆上がり"と教わりました。ただ、大陰線を付けたときに、日経平均はやや足りなかったのですが、TOPIXはダブルトップ(6/12と7/1)形成後の下値メドに到達していました。6月12日高値950.54Pから23日安値901.69Pまでの下げ幅48.85Pを、さらに23日安値901.69Pから下げてみてください。852.84Pとなり実際の13日終値852.42Pとほぼ近似値です。

 ちょうど、3月後半から4月後半までもみ合った期間があって、GW明けあたりから上に抜け出す展開となりましたが、そのスタートラインに戻ったということで、当時上に抜け出す瞬間を買えなかった人が買ってくる水準でもありますね。といいますか、そういった買いが入ってくるとの思惑でまた買いが入るのでピタッと止まってしまうわけです。これは株式市場だけでなく、その他のマーケットでもすべて同じです。単に大陰線といっても、売り急ぎは禁物です。特に陰線が何本も続いた後、ダメ押し的な下げがあると、一旦止まったりするものです。要するに大陰線で下げるということは大勢意見が下に傾いているとき、翌日も下げるとしたら、それ以上売りが増える環境かどうかを想像するわけです。大勢意見に逆らうわけですから、怖いし孤独ですが、少数意見の買い方は翌日には安値で買えてラッキーとなるわけですね。

 ということで、TOPIXは到達しましたので、その後、通常ならばプルバック、リターンムーブなどといってネックライン(二番天井が確定した水準)まで一旦戻るんです。TOPIXなら897P程度、日経平均だと6月23日安値の9500円処です。 今現在はどこまで来ているでしょうか。日経平均は10:30現在で高値が9489円ですからほぼ9500円に到達したといっていいのでしょうか。一方、TOPIXはまだ10:30現在で高値が886Pですからまだ上昇余地はありますね。しかし、TOPIXを無視して日経平均だけでテクニカルセオリを優先させると、日経平均の9500円処までの目標達成で仮に下げに転じるなら、その要因は11:00発表の中国のGDPか?
 中国のGDPが予想の7.8%よりも悪いのか、また良くても材料出尽くしになるのか、などと考えるのです。11:00発表ですから実際にどうなるかはわかりませんが・・・。
 この続きは中国GDP発表を見たあとの後場から書きます。

 後場が始まりました。中国GDPは前年比7.9%となり、ほぼ予想通りの結果となりました。後場からは下げ幅を縮小しています。材料出尽くしですね。やはり、日足の一目均衡表の転換線9411円まで押し戻されて終わるのでしょうか。これで戻りも終わりか?とも思うのですが、米株のあそこまでの上昇を考えるとそうはいってられません。何かを暗示しているのかもしれません。
 日経平均ベースでは、昨年10月安値から今年の3月安値までの89日間の対等日が明日17日となります。明日の変化日でどのように考えるか。現在、13:45ですが、この調子だと明日は安そうですが、ポイントになる日ではないですか。 何しろ、いろんなことを毎日考えます。日経平均のプルバック達成で6月12日の高値を基点とした下落相場の途中の中間戻りが終わるのか?それとも米株の復活の兆しを背景に押し目買いになるのか?3連休が終わると、やや見えてくるかもしれません。

東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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