主力株が軟調ですね。最近は外国人買いの信託銀行売りの構図に変化してきています。信託銀行の売りとはその大半が年金の売りです。外国人買いが復活しながらも、日経平均で安値から2500円近く上昇したもんですから、年金が主力株を売っているのでしょう。
 いつかお話しましたが、そもそも年金の運用基本ポートフォリオは配分比率が決まっております。国内債券67%、国内株式11%、外債8%、外株9%、短期資産5%、といったところでしょうか。比率分けされているのです。ただ、それぞれ価格変動があるため配分比率からある一定の許容範囲を決めています。国内株式の範囲は5%から17%ですね。11%中心に結構な許容幅です。
 でも、ここまで株価が上昇したら当然時価総額も大きくなっているわけで、その分、基本ポートフォリオ内の国内株式の比率が上昇しますから、ある程度の範囲に抑えるために、持ち株を売却するのです。

 昨日から主力株が安いのは、米株にやや怪しい雰囲気が漂う中、外国人買いが一歩引き、年金が持ち株を処分しているだけなのです。きっと・・・・。 やはり株価が下がれば弱気になる人も増えますし、不思議と金融危機の後遺症の話がちらほら出てくるようになるものです。
 "現状の株価上昇は説明がつかない"とテレビを通じてコメントされた方がいましたが、それはどうでしょうか。ファンダメンタルズでは説明できないだけではないでしょうか。
 確かに、企業業績一つとっても、前期決算よりも今期見通しの方が悪いわけですから、最近の株価上昇は何なの?ってことになるでしょう。
 でも、株価は数ヶ月後を織り込みながら動いているとよく言われます。だとするならば、"今期見通しではより悪化するのに、何故株価は上がるの"ではなく、"株価が上昇しているから今期見通しはいずれ上方修正されるだろう"と、考えるほうが今の相場に素直に入っていけるし、理解しやすいんだろうと思います。
 あくまでも"見通し"という不確定なものを優先的に信じるか、それとも現実に値段がついている株価のどっちを信じるか、ということです。

 今日は大幅に下がっていますね。日柄調整が長引く可能性はありますが、節目が集中する9000円処を維持している以上、下落トレンド入りを判断するのは時期尚早です。
 そこで、日経平均の一目均衡表ですが、現在、転換線と基準線が8998円処で推移しています。ポイントとしてみるのが、特に転換線は15日に8998円から9059円に上昇に転じることになりますが、その転換線上昇に株価が押し上げられるか。要するに落ちてくる株価の力と下で支える壁の強さはどちらが強いですかということです。壁の力が強ければ株価は押し上げられるし、壁の力の方が弱ければ株価は下に落ちていきます。
 例えが悪くて申し訳ありませんが、自分が羽子板を上下に振りながら羽根を上に"トーン、トーン"と打っているイメージを描いてください。例えばありえない話ですが、何回も打っているうちに上がった羽根がいつか、重いものに変わっていたらどうか。羽子板は返せなくなって、重くなったものはより強い地面まで落ちていくでしょう。少し無理がありますけど・・・。重くなったのは出来高が高値圏で増加したと考えればいいと思います。
 余談から話を戻しますが、仮に転換線で支えきれなければ、次は基準線でそうなるかを見極めるのです。基準線はしばらく横ばいの推移が続きますが、このまま順調に4月28日の安値を下回らなければ、次に基準線が上昇する日はいつでしょうか。6月9日頃だと思います。前日8日は満月ですね。

東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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