日経平均は200日移動平均線(以下、200日線)に接近してきました。米国では比較的200日線は重要視されていますが、日本ではどうでしょう。
日本でも同じですね。過去の動きを検証しても、200日線あたりで相場のターニングポイントになっていることが多いのです。特に今回のように急落後は・・・上値抵抗になることが多いですね。1991年や1992年などがヒントになりそうですが、その当時の急落後の反発局面では下向きの200日線が上値抵抗になっています。1991年3月は一旦、200日線を上回るのですが、200日線の下向きパワーに負けてしまって、結局反落を余儀なくされています。1992年9月のときは上回る局面はたった1日だけでした。
現在の200日線は下落しながら9650円処の水準にあります。今の相場の勢いですと、一旦上回る可能性はありますが、日経平均がここからさらに急上昇しない限りは200日線の下向きは続きます。例えば、12000円とか13000円あたりまで一気に上昇する相場だったら話は別。おそらく、200日線が横ばいや上昇に転じるまではあと数ヶ月かかるでしょう。
前回、お話した内容(月足5月の転換線9967円あたりまでは上昇も)と合致させると、瞬間10000円前後まで上昇するかもしれませんが、その後は調整なのかもしれませんね。200日線が横ばいになるまで・・・。あくまでも1つの考え方です。
2007年に高値を付けたあとの下落過程でも、2007年10月や2008年6月などは200日線あたりで上値を抑えられています。とりあえず、注意しましょう。
ただ、明らかに1か月前よりも外部環境は好転しています。今、買うのは簡単なのですが、1か月前に買った人はかなり勇気が必要だったと思います。その勇気を振り絞って買った人が利益確売りを出し、その売りを誰かが買うわけですが・・・、少し待ってください。安い水準で買っている人は利益確売りを出す水準、まだ先高期待があれば買い乗せをする局面ですが、全くの新規買いをするのであれば慎重に。ここから新規買いをする人は、自分が買ったあとにより楽観ムードで買う人がどれだけいるかを考えなければいけません。 つまり、自分が買った値段以上で、買う人がよりたくさんいないと上昇しないことになります。そのような行動を起こさせるような強い材料がこの先出てくるかどうか、そこが重要です。
また、買いが入っても上昇するかどうかは別問題です。その銘柄が前回の高値近辺で、戻り売り圧力の方が買いの力よりも強ければ、逆に下がることになります。200日線よりも株価が下の位置にあって、200日線に接近しているということは、中期的な売りが増加する水準と考えられます。
なので、これから買いを考えている人は、安値からリバウンド狙いで追っかけながらも、結局上昇して買えなかった銘柄は一旦あきらめ、その一方で200日線が上昇し、かつ200日線を上回っている銘柄を逆に選別した方が良いかもしれませんね。
東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ
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