日経平均の上昇基調は継続でしょうか。3月10日安値から4月10日高値まで27%程度(終値ベース)上昇したあとは、米国発の信用懸念拡大などを背景に短期的な調整局面に入っています。
その間、TOPIXは4月9日に中長期の反転シグナルとなる新値10本足が陽転。2007年11月12日に陰転して以来、はじめての陽転です。ちなみに、日経平均は11155円、米ダウ平均は8176ドル以上で10本足は陽転だったのですが、ダウ平均はその水準にあと45ドルに迫った4月17日高値を基点に調整局面にあります。たかが、45ドルといっても重要な節目に差し掛かっているときは、その程度も上がらないものなんですね。
果たして、日経平均は3月10日安値からのリバウンドは終了したとみるのか、調整後再度上昇に転じるのかどうか。週足の一目均衡表で考えたいと思います。
日経平均の週足は3月10日安値を基点に5週連続上昇のあと、今週を含めて調整が2週続いています。5週連続の上昇過程では5週連続の陽線(白線)となり、一目均衡表では中長期のトレンド転換シグナルとされる5陽連を形成したことになります。5陽連はめったに出るパターンではありません。昨年3月安値からの上昇以来のことです。金融危機やマクロ経済などの材料を追うことも重要ですが、ここは株価の現在性(上昇した事実)を強く認識する局面です。
昨年は3月安値から7陽連を形成し、その後の調整を経て6月に天井を形成しました。上昇期間は12週。単純にその12週を今年3月安値から先に当てはめると5月の最終週になります。当時の上昇幅は2910円。その値幅を今年3月安値からの上昇幅とすると9930円程度でしょうか。
一目均衡表は基準線、転換線、遅行線、先行スパン1、先行スパン2の5つの線から構成されています。それらの動きから、今年のケースを検証すると、現在の株価に26週間遅れて動く遅行線が株価の中に入り込む動きになっている状況です。
昨年のケースでは遅行スパンが株価に接触する場面はありましたが、最終的に株価の中に入り込めずにその後の急落につながったのです。均衡表では遅行線が株価を上回る好転は特に買いシグナルとして重要視されているのはご存知の方は多いと思います。
基準線の動きも重要ですよね。昨年は基準線の下落基調が続くなかでのリバウンド相場となり、基準線を上回りながらも同線の下落にあわせるように下落トレンド入りとなりました。一方、今年に関しては基準線は足元横ばいで推移しています。
今後の動きを予測した場合、株価に大きな変動がなければ8200円から8300円処で横ばいの推移が続きます(多少のブレはありますが)。その水準は大きく下に突っ込んだときの強いサポートになることが考えられます。
また、より短期の動きを示す転換線の動きからは、昨年は横ばいから上昇が続き、最終的に基準線を上回りました。転換線が基準線を上回れば買い局面とされますが、基準線が下落基調のなかでは株価の上昇力は限定されます(これも重要です)。昨年のパターンでも基準線が下落基調のなか、逆に反落に転じる結果となりました。
一方、今年のケースでは現在横ばいの転換線は5月第3週には上昇に転じます。現在、8045円の転換線は5月第3週には8349円、翌週には8495円に上昇する見込みです。あくまでも現段階では見込みです・・・が、5月第3週には同時に基準線を上回ることになり、強い買いシグナルが発せられる可能性があります。これも遅行線の好転と同様に重要です。
そのタイミングでさらに上昇基調が強まれば、もう、休養十分、昨年11月高値9521円や10000円に向けた動きになってくるのではないでしょうか?
日経平均の32週~33週のサイクル(非常にシンプルな日柄です)を考えると、6月第一週から第二週あたりが高値を付けやすい変化週の候補になります。 また、10000円を中心に上下500円程度の価格帯は2003年4月安値以降の累積売買高で見ても比較的過去の出来高が少ない真空地帯なんです。過去のシコリが少ない価格帯といったことろでしょうか。
ということは、昨年11月高値以降の9300円から9500円のラインを上に抜けたら意外と早いかも・・・と考えるのです。だから、そこを抜けるにはハードルが高いのでしょう、今のようにいろんな懸念材料や不安要因が出てきたりします。
日本のGW期間中にも明らかにされるという米国の"ストレステスト"。なんか、健康診断みたいですが、ほんとに悪材料なんか出てくるんでしょうかね?でなかったら、GW明けどうなりますか?
東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ