相場に先高感が強くなってきていますが、一旦下げるのではないか、と思っている人がおそらく多いのではないかと思います。市場参加者、私の周りもそうです。「これだけ上がったんだから、少しくらい調整があっても・・・、下げたところで買いたいなあ~」といったところだと思います。でも、ここは「全然下げない、いつ上がってもおかしくない」という発想ではないでしょうか。一旦下げると思っている人は、逆に少し上がり始めると、「やっぱり高いのか~」、逆に下がり始めると、「買わなくてよかった、思惑どおりだ」と思うでしょう。
しかし、この発想は判断が一つに定まっておらず、短期的な人気に一喜一憂するから出てくるもので、いざ動き出したらなかなか儲からないケースの方が多いのではと思います。上げで取るのか下げで取るのか、どちらか一方で対処したほうがいいかもしれません。今はファンダメンタルを強く意識して儲かる相場では無いと思います。決算発表が始まるとまた少し変わってくると思いますが・・・。足元の悪いファンダメンタルを意識するのは重要で決して無視できません。でも、あまり強く意識しすぎると、情報収集の段階でつまずいてしまいます。弱気材料ばかりを探すようになってしまう。弱気のバイアスが強いため、新聞を見ていても、弱い材料にしか目が行かなくなり、好感されそうな材料でも悪く考えてしまうのです。
株価は需給で相場は決まります。短期的なテクニカル指標などは確かに過熱していますが、トレンドが転換するときはほとんどの短期指標は過熱水準が続くもの。そこをどう判断するかが重要ですね。今日は3月10日に安値をつけた銘柄群の基準線上昇がしばらく続く基点になります。基準線が上昇する日の株価の動きはとても大切。それだけを知るだけで随分違います。株は情報量より分析と直観力が重要だと私は思います。好きな銘柄の過去の基準線の上昇のタイミングを分析してみてください。
中国のGDPが発表されるということで、それが今日一日の材料になるというのが朝方の見方でありました。発表される前から大幅上昇した時間帯がありましたが、私のテクニカル観から上昇したと思われる背景を書きますと、日経平均は昨日までで4月10日高値から4日連続の陰線を形成しましたが、昨日安値は4月9日に形成した長い陽線の安値を下回らなかったのです。これも重要、その時点では今日の上昇は可能性にしか過ぎなかったのですが・・・。
今日は上寄りから陰線3本目の高値を超えたところから、さらに上昇に弾みがつきました。これ、直近で紹介させていただきました「押さえ込み」ですね。酒田手法の教科書通りの切り返しパターンですよ。「押さえ込み」を有効としてくれたのが基準線の上昇だったのです、と見事な上昇を背景にやや興奮気味で後場を迎えましたが・・・。何ですか、この動きは?ジェットコースターのような相場展開。後場は前場の上げ幅が帳消しになってしまう可能性が出てきました。私が午前中書いてきた内容も帳消しに・・・。
とは言いながらも、基準線の上昇は一週間程度続くと思われ、強い基調は継続と考えます。しかし、「相場は理外の理」。一つにこだわり過ぎないように。バランスが重要ですね、毎回思います。
東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ
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