日経平均は年初からマドを開けて上昇しました。一目均衡表の基準線は年末あたりから上昇に転じてきていましたから、予兆はありましたね。足元はあっという間に11月5日高値(敵の陣地)に接近する動きになりましたし、個別株では11月5日高値(以下、11月高値)を超えてきている(敵の陣地を切り崩す)ものもあります。

 前回、日経平均のチャートパターンで、三角もち合いになるか、二番底を形成するかどうかの話をしましたが、昨日7日までの上昇ではどう判断できるでしょうか。前回ふれました昨年3月安値と11月高値を結んだ線を上値抵抗線、昨年10月安値と11月安値を結んだ線を下値抵抗線とする三角もち合いはなくなりました。ただ、昨日7日の高値からさかのぼると、昨年10月高値を起点とした三角もち合いはまだ可能性はあります。が、逆に私は二番底形成を期待しています。それは11月高値を超えることで完成されますが、どうも、11月21日安値からの上げは、まだジリ高の域の範囲内だと感じておりまして、加速するところがあるのではと・・・。11月21日安値からの上昇トレンドが最終的に上に吹き出れば、11月高値ぐらいはあっさりと抜くでしょう、とやや安易な考え方です。11月高値超えが単なる通過点となれば、心理的節目10000円が視野に入ってくることになります。
 しかし、ファンダメンタルズからみた弱気派は現在の堅調な相場は理解できないでしょう。口を揃えて、"出来高が増えない、買い戻しに過ぎない"、など・・・。買い材料なんか無いと思っているため"買い戻し"としか言えないわけです。
 私が思うに、ここまで戻したのは買い戻しではないですね。そんな上手く買い戻せるはずがありません。大抵の場合、ほとんどの人が評価損になってから戻してくるものです。上昇トレンドでも高値近辺でパーフェクトに利益確定できる人はいないと思います。手仕舞いしてくるのは評価損が出そうになった時、あるいは評価損になった時ですよ。ということは、ジリ高相場が続く以上、なかなか買い戻しはしにくいものです。買い戻すのは11月高値を超えてからでは・・・?トレンドの最終局面、伸び切った相場を作るのは、やはり売り方の買い戻しが多いですよ。

 今日の下げは、昨日までで年初にマドを明けてから3日間続けて高値更新となっていたことで、目先的に一服感が出やすかったことや、25日移動平均線からのかい離もプラス8.1%と警戒水準に広がってきたことによります。マドを開けてから3日間続けて高値更新となる「放れ三手の新値は売り」です。日経平均はじめ、個別銘柄でもその形になっていたものが多かったです。あと、先輩のコメントによりますと、元気のあるハイテク株は「三空」が多かったらしいです。そういえばそうでした。それだけでも今日の下落は読めたのですね。米国株は下げたわけですが、理由が何であれ、今日は下げる日だったのか?日本株の昨日までの上昇で売りシグナルになる可能性のある形状が、所々に見られたということは、米株下落は織り込んでいたということ・・・、少し乱暴に考えすぎでしょうか。良くあるパターンですよ。でも、11月21日安値からの上昇トレンドを崩すような下げにはならないでしょう。

 敵の陣地(11月5日高値)に近づいたのはいいけれど、大勢の敵の大群(戻り売り)を目にして驚き、一歩後退(今日の下落)したが、後ろに下がって(一旦調整して)助走をつけないと敵の陣地(11月5日高値)は切り崩せ(突破する)ない、ということなのでしょう。
 
今年も引き続きよろしくお願いいたします。

東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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