日経平均もう9000円台ですよ。せっかく2003年安値から約4年かけてようやく倍になったと思ったら1年と少しの間で・・・。下げるときは早いといわれますが、早すぎますよね。昨日の1000円近い下げなんかは、買う人がほとんどいなかった状態です。要するに買い注文が少ないなか、売りたくなくても売らなければいけない玉の換金売りですね。東証一部の主力銘柄にあれだけストップ安の銘柄が多くなることなんて、そうそうあるものではありません。でも、非常にヒントになる現象だったのかもしれません。
 ストップ安でも、ストップ安売り気配の状況が続くわけでなく、ストップ安の水準で売り物を食って(買う)くるんですよ。ということは、パニック的な心理状態は抜きにしても、その水準では売り超にはならない。需要と供給が見合う水準まで下落してきたことを意味しているわけです。

 でも正直、これだけ下がりますと、見通しの大修正が必要でしょう。そういえば、年初のアナリスト、ストラテジスト、テクニカルアナリスト、そのほとんどが年末高を予想していたような記憶があります。私の場合も全く逆の方向に行ってしまいました。このコーナーでも書いたことがあったと思うのですが、やっぱり、みんなが一致する方向へは行かないんですね。相場は少数意見が勝つ、まさにその通りです。
 
 昨日の1000円近い下げは、昨年8月17日安値から今年3月17日安値までの「141日」を、その3月安値からあてはめた日に起こりました。
 今日9日も、2006年4月7日高値から昨年7月9日高値までの「310日」を、その7月高値からあてはめた日柄となることや、日経平均の180日周期を今年1月22日安値からあてはめた日柄ともなります。
 値段的には、10000円割れの水準では、昨年高値18300円処から8月安値までの初動の下げの2倍を、8月安値から更に下げた水準9192円を下値メドとみていました。一目均衡表の値幅観測法のなかにある三層倍という考え方です。一応、昨日のザラバ安値や今日のザラバ安値はその水準を意識しているようです。下げ止まりの動きが出るでしょうか。

 ちなみにそれよりも下方のメド値は、昨年10月戻り高値から今年3月安値までの下げ幅を6月戻り高値から更に下げた8803円や、3月安値から6月戻り高値までの上げの倍返しとなる8780円、昨年6月高値から今年の3月安値までの下げ幅を今年6月高値からの下げとした7995円などがある。つまり、8800円前後と8000円前後ということです。
 しかし、下値メドを書いているうちに2003年を思い出し悲しくなってきます。あの時は厳しかったですよね。でも、理由が何であれ、昨年高値からこれだけ大きく下げたということですから、あらためて相場の見方を考え直す必要はありそうです。 

東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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