日経平均の10日のローソク足は陽線で終了しましたが、前日の陰線に対する差し込みが甘く、これだけでは短期底打ちは確認できません。
 そして、今日11日は昨日の寄り付きを下回ってスタートしました。引き続き軟調な展開が続いている状況ですね。結果的に、10日の陽線の"差し込み足"は売りの急所になったことになります。

 さて、セクター的にはメガバンクは昨日の反動から軟調である一方、新興国関連もやや買い戻しから下げてきているものが目立ちます。10日までの動きを見ると、メガバンクは今週初にマドを開けて上昇しており、一種の強気シグナル「アイランド・リバーサル」を発しています。一方で、新興国関連は安値を切り下げる展開となっていました。
 以前、このコーナーでお話しました"何を見るか"です。何を見るかで相場全体の動き、相場観は違ってくるように思います。要するに、メガバンクを見ていると相場全体は反転しそうだし、新興国関連だけしか見ていないと、日経平均はもっと下がりそうな見方になってきます。非常に悩む局面でしょう。日経平均先物しか手掛けない方にとっても重要な局面であると思います。

 ここ直近、比較的値持ちのよかった銘柄が換金売りなどで大幅に下げるものが目立っていましたが、それは下げ止まってきたような感じです(これは利益の出ている銘柄をまとめてファンドから外した動きです、典型的な行動です)。確かに3月安値に接近していることで、相場全体売られすぎの状況になってきており、きっかけ次第では急反発の展開も予想されます。ただ、そういった部分と個別の特異な動きが上手くつながらないわけですね。

 今日の日経平均は直近安値を更新しました。私に言わせれば、変化日安値を付けにいった動きではないかと思います。
 前回、指摘いたしましたが、今日11日前後は9月の変化日。あとは24日前後です。特に11日は今年の2月27日の戻り高値から6月6日高値までの「69日間」を、6月6日高値からの対等日数としてあてはめた日柄であることや、7月15日安値から一目均衡表の基本数値とされる「42日目」が9月11日となります。 さらに、9月限先物・オプションの最終売買日。翌日のSQ算出を境に相場が転換するケースがよくありますね。
 ちなみに、昨年の「9.11」安値から今年の3月安値までは「125日間」で、3月安値から「125日目」は9月12日になります。1日だけずれますが・・・ほぼピッタリです。
 週足でもそうなんです。日経平均は3月安値を付けた週からは今週で基本数値の「26週目」となることから、変化週としての認識も必要です。それは指数に限ったことではありません。今日、明日の動きは注目です。急反発があるかも・・・。
 その際の物色対象は、決して新興国・資源関連銘柄ではないです。リバウンドはとれるかもしれませんが、それらのセクターは需給が悪くなっている銘柄が多いので、国際優良株や銀行株でしょう。ある程度、年末あたりまでのスタンスで銘柄を選ぶ必要があります。

 現在、書いている途中ですが、ズルズル12100円を割り込んできました。メガバンクはまだ前日のレンジ内での動きです。私が大好きな"はらみ足"を形成しているパターンです。このはらみの動きは上下どちらの動きを示唆しているのか。明日は5日移動平均線の上昇が大きく切り上がることや、25日移動平均線も上昇する可能性も十分に考えられます。

 下値模索中の新興国・資源関連銘柄を打診買いして失敗すると大きそうですが、メガバンクは下に壁(窓)があるから短期的な下値不安は少なそうです。 とかなんとか思う人が多いからこそ、「アイランド・リバーサル」は下のマドを埋めずに上がっていくんでしょうね。要するにメガバンクが7月に戻り高値を付けた状況と、逆と考えればその原理は同じです。

東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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