東京市場は外部環境に左右されながらも、月前半は手掛かり材料難の展開になりそうです。欧米の金融機関の四半期決算を控えていることに加え、9月末に近づくにつれ国内の新興不動産会社の破綻リスクなども再び浮上してくる可能性が考えられます。
 自民党総裁には現在のところ4人が立候補しそうですが、いずれにしてもそのうち決まるでしょうし、誰がなったとしても外国人投資家にとってあまり関心はないように思います。

 むしろ、直近のセクター間でのバラツキのある相場展開をどう読むか、こちらの方が重要です。建設機械や商社、不動産株など安値を更新する銘柄が目立ってきました。3月安値を前に値ごろ感だけで買った銘柄が引かされている状態ですね。また、ヘッジファンドですよ。しかし、外国人もそうですけど、ヘッジファンドも良し悪しですね。値ごろ感で勝てる相場でもないように思うのですが、バリュエーション重視で需給を全く無視して拾ったやつが、ほとんどやられてるんですよ。
 まさにファンドマネージャーが確信をもって買った銘柄がジリ安となり、「おかしいなー、おかしいなー」と言い訳をしながら、最後に先物でヘッジをかけて、今日みたいな状況になってしまうのです。考えた方がいいと思いますね。ヘッジファンドの数はいくつあるか知りませんが、私に言わせると、これもブームですよ。周りの仲間がヘッジファンドを立ち上げたので、自分もそろそろと・・・その時点で群集心理に埋もれてしまったということです。
 2003年の安値を起点とした出遅れセクターを買っていれば、現在も大きな痛手は被っていないでしょう。それを1年や半年の短いタームでしか見ていなければ、良いも悪いも横並びのパフォーマンスにしかならないんだろうと思います。時間軸は出来るかぎり長く見るべきですね。

 「9.11」とは全く関係のない話を書いてしまいましたが、日経平均は7月24日高値以降の下向きのチャネルラインの下限が意識されて、その中の動きが継続しているとすれば、短期的にはその上限に向けた動きが期待できそうです。 ただ一方で、7月16日安値以降、安値同士を結んで右肩上がりに引ける線と、7月24日高値と8月18日高値を結んだ右肩下がりの線とで形成される三角もち合いを、8月19日に既に下方にブレイクし、上値抵抗線までのプルバック(揺り返し)を経て、二段目の下げに突入しているとの見方もできると思います。 仮に、8月29日高値13079円を上回れば、6月6日高値からは下げの5波動構成が既に完成していることもあり、下げ一巡から反発の兆しが出てくることになるでしょうし、とにかく難しい相場展開です。正直、わかりません。そこで9月の変化日を考えてみました。

 結論から言いますと、11日や24日前後となります。特に11日は今年の2月27日の戻り高値から6月6日高値までの「69日間」を、6月6日高値からの対等日数としてあてはめた日柄であることや、7月15日安値から一目均衡表の基本数値とされる「42日目」が9月11日です。
 さらに、その日は9月限先物・オプションの最終売買日。翌日のSQ算出を境に相場が転換するケースがよくありますよね。そういったイベント面に加え、昨年同様、「9.11」前後は投資家心理面でも転換日になる可能性が高い。米国市場の方がその意識は強いかもしれませんが・・・。昨年の「9.11」安値から今年の3月安値までは「125日間」。3月安値から「125日目」は9月12日になります。1日ずれますが、その前後は注意したいと思います。

 最後に、直近10年間のNYダウの月間平均騰落率をみた場合、9月は2.5%の下落と12ヵ月のうちで最も悪いパフォーマンス。しかし、それ以降、10月は3.9%、11月2.1%、12月1.6%と米国でいう第4四半期のパフォーマンスは格段によくなる傾向がありますので、9月は逆張り戦略の好機ととらえることができそうです。

東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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